隆興寺さんの相輪。
群馬県前橋市三河町にある隆興寺。
前回記事を書いた東福寺さんのすぐ近くにある。
遠目に「教会かな」と思って近寄ってみたら、
なんかすごく和風な垣根やアジサイの枯れ木があって、
隆興寺と書かれた門があった。
お寺じゃんΣ(・ω・ノ)ノ!
前回の東福寺に続き、
なんというか「和風じゃない寺」シリーズ。
こちらは鰐口すら無く梵鐘(なのか?)は本堂の上に。
まさに教会かしらという構造だが、
屋根の上にはしっかり相輪が設置されていた。
*相輪*
せっかくはっきり写っているので一応、
一番上の玉ころのようなものを「宝珠」
その下の玉ころを「竜舎」
その下のトゲトゲの部分を「水煙」
9個の輪が重なっている部分を「九輪or宝輪」
その下のある花のような形の部分を「受花」
その下の鏡餅みたいな部分を「伏鉢」
屋根に接している土台を「露盤」
と言って五重塔の上などによくある。
宝珠は仏舎利(お釈迦様の骨)を納める場所。
竜舎(竜車)は高貴な者=天子の乗り物。
水煙は仏閣を火災から守るおまじない。
なので、効果は鴟尾(しび)と同じ?
九輪は「4人の如来様&5人の菩薩様」を表す。
受花は飾り台。宝珠と受花だけの装飾もあったりする。
伏鉢はブッダさんの骨を収めた塚をかたどった物。
露盤は土台。(雑な説明ですみません|д゚)
*四如来・五菩薩*
上記の九輪に対応する九仏といえば、
永遠不滅の真理を体現!大日如来!
金剛のような堅固な悟り!阿閦(あしゅく)!
万象に絶対の価値を見出す!宝生!
無量の力で衆生を救う!阿弥陀!
ニョライジャー・フォー!
何事にもとらわれず実践あるのみ!不空成就!
真理を極め悟りを求む!理知の力、普賢!
実在のモデルがいるよ!智慧の力、文殊!
千変万化で衆生を導く!大悲の力、観音!
未来の仏を約束された 慈悲あふれるエリート!弥勒!
ボサツ・ファイブ!
の9人でお送りします(=゚ω゚)ノ
※5菩薩は宗派によって違ったりもするけど。
ちなみに修学旅行の時、
相輪を見た班の男子が「すげー、避雷針乗ってる!」
といったのをよく覚えている。当時は笑っていたし。
HPで「避雷針ではありません」と言っているお寺もある。
が、現代では あながち間違いでもないらしい。
五重塔は昔の日本ではそこそこ高い建築物であり、
(今でも京都などは建築物に高さ制限があるためか)
よく落雷に襲われ あまつさえ焼失したりする。
有名な東寺の五重塔なども4度焼失したらしい。
それを受けて最近の寺院では
この相輪にアースなどを付けて避雷針とし、
落雷した際の電流が木材に流れて発火しないよう
地面へ雷様を逃がす構造になっていたりするらしい。
雷様VS仏さま か( ゚Д゚)!?
*活発な狛犬*
この隆興寺、建物も変わっているが狛犬も…
ん!?見えないではないか(;´・ω・)!
こんなに守られてるなんて、だれかすごい人が作ったの!?
と思ってしまうほど厳重な(目が細かすぎて中見えない…)檻!
一応隙間から撮っては見ましたが…
うまく全体は写らなかった。
せっかく仔犬みたいにはしゃいでて可愛い狛犬なのに…
↑阿形。
犬がはしゃいで臨戦態勢になっているときのように、
前脚は伏せて後ろ脚だけ立っている。女豹のポーズ!
↑吽形
なんとなんとお尻と後ろ脚だけを台座に付けて、
両手は猫がオモチャにじゃれるように毬を掴んでいる。
うまくポーズを写せないのが本当に残念…。
作りはなかなか細かくて
バランスもしっかりしたカンジなので、
本当に誰かいい人に作ってもらったのかもしれない。
それか焼き物っぽい感じもするから、
割れるのが心配でこんな厳重な籠に?
(;´・ω・)キニナル…
*多宝塔*
境内には観音様と、その横に多宝塔。
多宝塔はさっきチョロっと出てきた五重塔と同じく
「仏塔」というものの中の形態的な分類の1つ。
ということでやっぱり仏舎利などを収めたものとされる。
説明書きによれば、ここのお寺の多宝塔にも
経文2つと仏像1つが安置されているらしい。
老朽化などにより傾いていたが、
石材屋さんが立て直してくれたというような話も書いてあった。
屋根の下側に龍や彩雲が描いてあって、にぎやかな雰囲気。
ちなみにウィキペディアには
「多宝塔は主に真言宗系の寺院で見られるのも特徴」
と書かれているが、隆興寺さんは曹洞宗だそうだ。
境内には愛知の豊川稲荷からお招きした
ダキニ天さんのおわす豊川稲荷もあった。