鼻節神社の三角扁額。
さて、前回までは石巻を巡る旅だったが、
もう少し北東・七ヶ浜に気になる神社を発見した。
というわけでちょっと足を延ばしてみようと思う!
が、調べてみると最寄り駅と呼べる駅が無い。
駅から歩くと数時間では済まないので半ば諦めていたが、
[七ヶ浜町民バス ぐるりんこ]が近くまで通っているらしい!
バスは苦手だが背に腹は代えられまい。
てゆうか町民バスって他県民も乗ってOKなの?
いくつか系統があるけどよく分かんないよ。
間違ったのに乗っちゃったら近くの停留所通らない。
そんなことを考えていたら こともあろうに、
「乗ろうとした時間は平日のみ運行」というマヌケ事案が発生。
休日ダイヤのバスまで1時間休憩という強制イベントとなった。
…色々不安はあるが、本塩釜駅前から乗車。
車掌さんが聞いている地元のラジオを聴きながら
病院や学校前、仮設住宅前などを巡り約30分。
七ヶ浜町の先端「館下」に到着。
田んぼがあり あとは道路がどこかへつながっている。
そして開店前のようだが道の駅のようなモノが一軒ある。
道の駅(らしきもの)は
神社を見た後なら開いているだろう…
ということでまずは目的の神社へ行くことにする。
グーグルマップが無ければまず通らない、
ちょっと広めの私道のような道を通り神社に到着。
今回の目的地・鼻節神社である。
管理人的には、あまりに海に近く先端にあって
あとは名前が気になってアンテナに引っかかった。
ただ、バスに揺られ(そして酔い)ながら調べたところ
アニメ「かんなぎ」に出てくる神社のモデルと判明。
俗にいう”聖地”というヤツである。
鳥居の前に痛車が停まっていたのも納得…。
管理人はアニメ(むしろテレビ自体を)ほぼ見ないので
どんな感じで画面に登場しているかは分からない。
しかし、一応記事を書く前に漫画「かんなぎ」全12巻を読んでみた。
残念ながらナギちゃんは、水に関係あるカミサマではなかった。
※アニメを作るにあたり具体的なロケ地を、ということで選定されたので、
漫画のキャラ設定に鼻節神社が関わってこないのは当然の話ではあるが。
かんなぎ聖地巡礼者じゃないので、
ファンの喜びそうなアングルとか分からないからね!
適当に撮っていくからね!(電池がもう無いし!)
*鼻節神社*
先程の赤い鳥居をくぐると道が2つに分かれている。
そして、どう考えても歩きやすそうな方をえらぶと
コチラの「裏参道」となる。
立派で表参道っぽいが、これが裏なのである。
階段がすべて苔むしているのか
最強に滑るのでご注意を(雨の後だったせいか?)
そして今年は、ココでもキノコが豊作。
タマゴタケっぽいキノコ↓などが出迎えてくれた。
ツルツルの階段を上っていくと、
電話ボックスくらいの御堂的なモノが。
覗いて見たら、神馬舎でしたとさ。
なかなかリアルな造りで
特に耳の反り具合とか鼻先がイイ感じ。
その奥には、山神社・稲荷神社・天神社。
それぞれ、字山神・字三月田・字八ヶ森にあったものが
明治24年にコチラ鼻節神社に合祀されたと言われている。
そして不動明王の剣のようなものがある…
と思いながら歩みを進め、ふと狛犬を見てみると
なぜか大量のダンゴムシ?ワラジムシ?が付いていて
虫嫌いならば あわや悲鳴をあげそうなグロ画像に。
そして、千葉でのことを参考にすると
海に落ちていたものを誰かが拾った碇だろうか。
かなり無造作に置かれている。
碇自体が有り難いものと言うわけでなく、
海に落ちているとワダツミさんが怒るから拾ってきた。
という意味であれば丁寧に置く意味はないということだろうか…。
拝殿は小さいながらも新しく、綺麗になっている。
神社では鈴だけのことが多いが
お寺でよく見るような鰐口も設置されていた。
祭神はサルタヒコもとい岐(くなと)の神。
※加えて、アメノタヂカラオ または
「鼻(=花)」の文字からコノハナサクヤヒメと言う異説も。
鎮守の森の木立のむこうには海が広がっている。
さて、拝殿周りをザッと見たところで
管理人的メインイベント「表参道の鳥居」を見に行く。
バスから降りて陸路でここまで来たのが裏参道だが、
表参道は陸でなく海からのアプローチとなっている。
勿論海が怖いので海のほうまではいかないが、
この表参道の鳥居が見たいのだ。
結構な高台だと思っていたが、
表参道への石段を下りていくと波音が近づいてくる。
そしてとっても虫が多い。ブンブン飛んでくる。
波音と蜂の恐怖に怯えながら、
石段横に生えているキノコを心の拠り所にして下っていく。
そして、階段を下りきると
今朝まで降っていた雨の水が小川のように流れていた。
長靴持ってくればよかったー!(;゚Д゚)
でもそれ以前に、もう波の音が結構そこまで近づいて…
ブログ的には「表参道から見える海!」とか撮りたいが
もはや、ここから先には一歩も進める気がしない。
*表参道の鳥居について*
いいんだ。私の目的は海ではなく
この鳥居なんだ…!
皆さんが見慣れているのは
おそらく長方形の扁額だろうと思うが、
ココの扁額は三角形なのである。
どうして三角形なのかはわからないが、
この後に寄った吉田神社も三角扁額のある神社。
(携帯の電池が限界を迎えたので写真はここまでだが…)
一般的に 水神である弁財天の神紋が
鱗や波を表す三角形であることを考えると、
やはり「水神信仰の場であるから」三角形なんだろうか。
海無し県の出身者にとって猿田彦といえば岐(くなと)。
つまり枝分かれや辻の守り神 ひいては道・案内の神。
しかし、彼を猿田神(さたのかみ)と呼ぶ土地もあり、
その「さた」とは岬と似たような意味だという説もある。
九州最南端の佐多岬・四国最西端の佐田岬など
「さた」と付く岬が多いのもそのためだろうか…。
ともかく、だとすれば猿田彦は 陸の道に限らず
海に突き出した土地から航行をも見守る神ということになる。
水神では無くとも、水の安全に関わる神という意味で
サルタヒコを祀る神社に水と繋がりそうな三角扁額があっても
まぁ不自然ではないと言ってよさそうだ。
*鼻節という名前について*
では祭神について少し考えたところで、
次に「鼻節神社」の名前の由来は?と調べてみると、
なんと「猿田彦神の鼻は長く、節があったため」と書かれている。
長い鼻に さらに節 ってどうゆうことやねん。
異様すぎるし、地形が由来かと思っていたので予想外すぎ!
とゆうのも、「鼻」は(主に西日本で)
岬を表す言葉として使われることがあるからだ。
ちなみに、鼻節神社付近に「花渕」という地区があり、
その土地を治めていたのは花淵家という地方豪族だったそうで。
とすれば、神社名も元はハナブシでなくハナブチだったかもしれない。
「淵・渕」は水を湛えた場所、
「縁」は境界または最も外側、という意味がある。
「海に突き出た土地のフチの部分」という意味の地名であれば
「鼻縁」が一番地形や立地にふさわしい表記だろうか。
地形が先か、権力者の名前が土地と神社に付いたのか。
あとは、もはや妄想だが
ハナプ(ブ)シ はアイヌ語地名だ!というのはどうだろう。
そうすれば
「朝廷が蝦夷平定の拠点とした宮城、
それも鹽竈神社の摂社であるハナフシ神社が
蝦夷の人々が使っているアイヌ語の名前ではうまくない」
という理由で無理な由来をこじつけてまで
大和民族風に漢字表記されたことも納得である。
「猿田彦の鼻に節」は鼻節神社だけでなく
鹽竈神社の社伝にも同じような内容が書いてあるそうで。
陸奥の国一ノ宮の社伝にケチ付けたいわけじゃないんだけど。
いつもの妄想癖ですよ(*´з`)そんなこともあるかなーって。
まぁサルタヒコ自体がもはや鼻節神と呼ばれたりもしていて
調べれば調べるほどいよいよ分からなくなってきました…。
*大根神社について*
ところで、この神社の裏番長ではないかというのが
拝殿の脇にひっそり建つ小さい祠。
我々が普段見られるのは 小さい社だけだが、
なんと ココから7kmほど沖合にある岩礁の上
つまりは海中に本当の社殿があるのだという。
双子のように社が並んでいるが、
実際の大根神社(というか奥宮という扱いらしい)も
東宮・西宮 2つの社殿があるという。
ちなみに松島湾は七ヶ浜町と東松島市に囲まれているが
この東宮と西宮は別の行政区に属しているそうだ。
Wikipedia先生によると、
東松島の宮戸島沖には現在も大根島が現存。
また、鼻節神社は垂水山という山に建っているが、
東松島には垂水鼻という岬があるそうだ。
海上にあった大根神社を中心に
地名なども対を成していたということだろうか。
ちなみに御祭神は住吉神・大海神・猿田彦らしい。
ああ、もしかして三角扁額も
住吉さんやワダツミさん関係なのか?
でも、近くにある吉田神社は
祭神がアメノウズメだがやはり三角扁額がある。
(アメノウズメはサルタヒコ(鼻節神)の妻神)
もはや三角=海神関係という既成概念が間違ってるのか?
ちょっと三角扁額については情報が少なすぎて
もっといろんなところを回ってみたいところ。
余談だが今も大根海神社例祭は行われ、
例祭では海中の社殿付近からアワビを獲って
最も大きなものを神饌として供えるという。
また、干潮の時には実際に
社殿の一部が見えることもあるのだとか!
例祭気になるなぁ。7月かぁ。
来るのは大変だけど是非見たいなぁ。
そんなこんなで携帯の電池が切れてしまったので
今回はこの辺で。
この後、ちゃんと道の駅に寄って
土地のモノをいろいろ買いましたとさ。
モチロンお土産だけでなく自分にも。
「招福 ネコの手マドレーヌ」
朝から何も食べていなかったので超おいしくいただきました
(*´ω`*)