上野国八ノ宮・火雷神社。
*火雷神社境内*
天然の鳥居かという立派な松が出迎えてくれた、
コチラは群馬県佐波軍玉村町の火雷神社。
「火雷」は「ほのいかづち」とも「からい」とも読まれる。
そんなに大々的でもなく、
この村の神社ですよというような風貌で鎮座しているが
ここは上野国八ノ宮である。
前回記事を書いた七ノ宮・小祝神社の1個下だ。
どの神様宅か分からないのだが、
前回見たときは普通に建ってるだけだった。
なんか今回は地鎮祭みたいに囲われてる。
なんだろう。
今日はこの神様にとって特別な日なのか?
本殿を見てみると、
ぐるりと一周七福神デザインのようだ。
恵比寿・寿老人(か?)↑
毘沙門天・大黒天・福禄寿↓
(福禄寿ってはしご架けて剃髪してもらってたのか…)
そして弁財天・布袋様↓
この七福神はあんまり好きな顔ではないが、
その上や横の彫刻も細かくて手は込んでいるみたいだ。
こちらが拝殿。
小祝神社ほどではないが、
ちょっと可愛らしい彫刻がパラパラとある。
梅の花。菅原道真公が居るからだな、きっと。
そして、なぜか船があるんだな。
この日は前に書いた「玉村五料の水神祭」を見に行った日。
なので目的の神社にたどり着く前に火雷神社で藁舟を見つけて
ちょっと驚いた管理人だった。
もしかして、
あの地鎮祭みたいになっていた祠と関係あるんだろうか。
一応この神社の例祭なども調べてみたが、
4月と10月にこの神社の例祭と小祭りがあるだけで
あとは重要無形文化財の「ムギマキゴシンジ」のみだ。
群馬県内に「麦蒔御神事」はいくつかあるようだが、
それぞれに謂れが少しずつ違ったりする。
ココのは
10月の最後の午の日・丑の刻に神事を行う。
大きな音を出してはいけないので
宮司さんもコソコソした声で祝詞をあげるらしい。
境内には注連縄が張られ、
翌11月の初午の日まで境内に踏み入ることはおろか
氏子さんたちは大声でしゃべることも禁止!
ちなみに約束やぶるとエラい災害が起きるぞ。
というかんじなんだそうだ。
さて、拝殿を覗いてみる。
左の額には昔の境内のような白黒写真が飾られている。
奥にある燈篭は、遠くてよく見えないが
透かしの入ったきれいなデザイン。
上のトンガリ部分も水煙宝珠のようになっている。
そして向かって右には、
軍艦らしき写真がある。
軍艦フェチ諸兄ならばこの写真だけで
名前くらい軽く言い当てられるのだろうけど…
にわか艦これ提督な管理人には分からん。
この火雷神社に関連深いといえば、
勧請モトが奈良県葛城市・笛吹神社内にある
葛木坐火雷(かつらぎいますほのいかづち)神社である。
ということは雲竜型航空母艦・葛城か?
と言いたいところだが、
葛城は飛行甲板上にこんなに突起物はなかったような気もする。
それなら我らが赤城神社を艦内社とする
航空母艦・赤城だろうか。
(ココも赤城のふもとなので)
…考えてもわからないので無責任だが放っておこう。
そしてこちら↓が、八坂神社遷座記念の額。
主祭神は火雷神だが、
八坂神社ということは牛頭天王かスサノヲがお住まいのはず。
道真公がココにお住まいのように、
スサノヲもまた本殿でシェアハウス中なのかもしれない。
玉村八幡宮の宮司さんが遷座担当者だったようだ。
たしかに現在、この辺の神社のことは
玉村八幡宮のHPに結構詳しく載っているので…
八幡様の宮司さんがこの辺の神社も兼務しているのか?
*ホノイカヅチノカミについて*
さて、この火雷神社の主祭神・火雷大神。
火と雷ってこと?
とおもうが、火の神でなく雷神。
八雷神(やくさいかづちのかみ)という名前もある。
日本神話ではどこで登場するかというと、
火の神・カグツチを産んだことで
火傷を負い死んでしまったイザナミが再登場するシーン。
黄泉に住まう彼女の「私の姿はまだ見ないでください」
という言葉を守らなかった夫・イザナギが
ウジが湧き、その体に稲妻をまとった妻をチラ見して
度肝を抜かしたシーンである。
このイザナミがまとっている稲妻こそが
ココの祭神・火雷大神なのだ。
今回訪問した玉村の火雷大神は、
(先ほどの軍艦の写真の時にも話に出たが)
奈良県葛木・笛吹神社境内にある
「葛木坐火雷神社」からお招きしたと言われている。
この「笛吹神社」の祭神は天香山(あまのかぐやま)のみこと。
昔このあたりに居た笛吹連の神様だと言われている。
そのアマノカグヤマノミコトでなく、
どうして末社のホノイカヅチノカミをお招きしたのか?
…と思ったのだが、
玉村の火雷神社が書物に初登場するのは796年。
奈良の火雷神社の歴史を調べると、
社の衰退により笛吹神社に吸収合併されたのは927年。
つまり、このホノイカヅチ@玉村は
衰退&吸収される前の「元祖・火雷神社」の神様なのだ。
それならはるばる招かれたというのも納得か。
次回は、利根川を挟んで
この火雷神社と対峙している倭文神社。
記事を書くのが遅すぎて行った神社が溜まっていく…。
|д゚)ヒエー!