とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

キツネとヤギと冠稲荷。

たまには近場に…ということで、
群馬県太田市にある「冠稲荷神社」に行ってきた。

古墳時代から信仰の地であり
神社としては1125年、新田氏の始祖・源義国が創建。
源氏ゆかりの社だというコトで、
なんとあの源義経伏見稲荷を分霊を鎮祭したとか。
その際、神様を冠の中に勧請して連れてきたので
「冠稲荷」と呼ばれるようになったのだそうだ。
その後も、数々の武人の信仰厚く
幕府討伐に向かう新田義貞が祈願に訪れ金木犀を残したり
乃木希典将軍の石碑が残るなど当時の勢いが偲ばれる。

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大きな鳥居に 深い鎮守の森。
入口からしてかなり立派な面立ちであるが、
この神社のすごいところは神社そのものだけではない。

婚活から…
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恋愛・結婚が成就した暁には結婚式…
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さらに お子様が生まれたら
保育園やら 七五三のレンタル衣装・撮影まで…
手広くガッチリやっている感じの神社なのだ!

勿論、悪い意味で言っているわけではないですよ!
(/・ω・)/!

宗教法人とはいえ出ていくものは出ていくので、
よほどの観光地や有名神社でない限り
純粋な神社収入(?)のみでは限界がある。
神社が生き残れるかという問題には
いかに本業以外で収益を上げられるか?
という問題も付いて回るのだ…と、思う。
(知ったようなこと言ってすいません)

ちなみに、上の写真は甲鳥居だが
南鳥居の扁額に漆を塗ったのは
なんとタモリさんらしい(;゚Д゚)

さて、神社自体に話題を戻して
メインの鳥居(甲大鳥居)の横には、猿田毘古社。
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なんと、大幣が置いてあって
セルフでバサバサやる方式らしい。斬新!

そしてその横に「ペット社殿」というものがあるが、
ペットの神様(?)を祀ってあるのか
ペットのことを願う社なのか
ペットが参拝する社なのか…は、謎。
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コチラも鈴が置いてあり、
セルフでシャンシャンする方式。
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広い境内の中央にある木瓜(ぼけ)は県の天然記念物。
(何の下調べもしなかった所為で 開花には早すぎた…)
他にも新田義貞公が戦勝祈願に植栽した金木犀など、
普段はあまり神社で見かけないような
可愛らしい花の多い神社である。

境内には、どこが何社か分からなくなるくらい
色々な社がひしめき合っている。
その1つ・七福神社には巨大な絵馬が。
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縁起物として有名な松のほか、
よく見ると椿が彫られているのが分かる。
椿は縁結び・魔除けの力があるとされ
縁結び推しの冠稲荷らしいデザインだな~と思ったり。

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八坂神社と諏訪神社が並んでいる。
2人とも若かりし頃は喧嘩っ早かったことを考えると
うまくやっているのか心配になったりするが…。
2人とも愛妻家であることを考えると
意外と話が合うのかもしれない( *´艸`)
と妄想したり。

そして、こちらは厳島社。
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ちゃんと弁天様が住みやすいように(?)
周りは池のようになっていた。

中はこんな様子。
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広々としたお住まいである。
目が悪くてよく見えないのだが、座像のようだ。
神道系の宗像三女神というよりは
仏教系の弁財天(それも八臂弁財天)だろうか。

帰宅してから調べると、
頭上に宇賀神(おじいさんの顔をした蛇)を乗せた
宇賀弁財天だと書かれていた。
江ノ島の弁天様のような御姿なのだろう。
さらに、ここの像は両脇に毘沙門・大黒を従え
周りには童子がたくさん集まっているという
なんだか珍しい構図である。

やぁしかし、管理人が普段行っている
イイ感じに鄙びた田舎神社とは違いますなぁ!
とピカピカさに圧倒されていると…
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ひときわごうか な しゃでん があらわれた!
▷にげる
▶︎さんぱいする

拝殿はピッカピカだし、
彫刻はカラフルだし 建物大きいし。
ってゆうか、なんか鹿の頭飾ってあるじゃないか。
ここは諏訪大社前宮か。御頭祭なのか。(独り言です)
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はぁ、この豪華さ。さすがは日本七稲荷の1つ!

ちなみに、ほかの6社は というと
京都の伏見、愛知の豊川、大阪の信田。
北区の王子、湯島の妻恋、佐野の一瓶塚。
まだ妻恋稲荷と一瓶塚稲荷には行ってないなぁ。
「近いんだし いつでも行けるだろう」
と思っているうちに後回しになっている。

…そして、拝殿もカラフルだが
さらにスゴいのが 市重要文化財にもなっている本殿↓。
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説話の一場面が題材なんだろうか。
中国の仙人みたいな人たちがたくさん彫ってある。
そして、パッと見 四方の角には白い動物がいて
稲荷神社だけに白狐さんだろうと思ってしまうのだが…。
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じつは!ヤギさんも混ざっている(右)。
冠稲荷さんのブログによれば、
山羊は昔から日本人にとって
農作業や畜産など多方面でなじみ深い動物らしい。
そうかぁ。確かにヤギミルクは飲んだことある。
でも、耕作民文化圏のお祭とか見てると
踊りの中に馬や牛は出てきてもヤギいないよ…?
まさか群馬県太田市周辺に限って農耕ヤギ文化が?

冠稲荷さんのブログに書いてあったので、
間違いないと思うのだけど。ムズムズが残る。
「あのへんはヤギの踊りがあるがね!」
「うちは農業用にヤギ飼ってるんさ」
という方や、
他にヤギ関連(?)の稲荷神社をご存知の方
もし居たら情報をお恵みください…(´・ω・)

ヤギとキツネ、というと もう1つ。
乗物(ヴァーハナ)の白牛を日本人に認識されず
日本に入国した途端 白ヤギと一緒に描かれた
摩訶迦羅天ことマハーカーラ(シヴァ)さんと

ジャッカルと群れ死肉をむさぼっていたはずが
日本に入国したら急激に上品になり
いつの間にか狐にまたがる天女になっていた
荼枳尼天ことダーキニーさんを思い出す…。

が、ダーキニーはシヴァの力に威圧され
彼に服従した獰猛な女神たちである。
キツネさん(ダーキニー)メインの稲荷神社で
その征服者たるシヴァ(ヤギもとい白牛)
と一緒に彫刻されているとは考えづらい。

やはりインドでなく純粋に
日本の農耕文化の中での農耕神と家畜なのかなぁ。
(まだモヤモヤしている)

拝殿の奥に本殿、というのは普通の造りだが。
その本殿よりさらに後ろに
竹の生えた小さな丘のような場所があった。
本殿の真後ろなので何かあるのではと登ってみると、
石造りの祠が3つならんでいた。
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全てに白狐さんがいらっしゃるが、
それぞれが何社なのかは よく分からなかった。

その上、帰ってから本殿の御祭神を調べると
驚くほどの大所帯過ぎて3柱どころではなかった!

ウカノミタマ・ウケモチという稲コンビのほか

太田神というどう見ても地元っぽい神様、
スサノヲ・クシナダ夫婦
オオナムチ・スクナヒコの開拓コンビ、
品陀和気神・市杵島毘売神・菅原道眞天照大御神
大宮能売神・菊理日売神・大物主・健御名方・祓戸四神
果ては仏教圏の薬師菩薩明神まで。

なんと鮮やかな本殿には20柱もの神様が!
乗車率は通勤ラッシュの山手線並みである。

そして、拝殿まで戻ってみると
その横にはなんと…狐にまたがる稲荷大神
か、顔出しパネルが…!
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この発想にビックリやでぇ。
誰が記念撮影すんねん!
と思わず(内心)関西弁になりつつ、
日も暮れてきたので帰路へ着くべく戌亥鳥居へ。

途中には、陶器の白狐さまを納める「白狐社」。
見てみると、お稲荷スタジアム状態!
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かなり満席に近いですな。ワールドカップ決勝戦並み。
大小様々の白狐さんがひしめく光景はなかなかのもの。
奥行きのある下段に至っては、もはや兵馬俑の如し!
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普段は目には見えない人の願いというものの
膨大さ多様さを まざまざと見せられているような気分である。

神無月に出雲に集まる神々たちは
1年間自分に集められた願いを並べ、
どれを先に叶えるか会議するという話を聞いたが。
ここに居並ぶ白狐さんたちも
奉納した人の願いを提示し合い
この大会議室で話し合いをしているだろうか。
と考えると少し楽しい。
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絵馬と一緒だと安心するそうです(笑)
なんだか可愛らしいですな(*´ω`*)

ちなみに狐さんは蚕の天敵・ネズミを食べるので
稲作のみならず養蚕の守り神でもある。
実物は拝殿にでも仕舞われているのだと思うが、
駐車場にある「繭扁額」の写真を見ることができた。
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一つひとつの繭の下にある
木の札に何と書いてあるのかが気になる…。
地域ごとの生産者だろうか。
それとも繭の品種か何かだろうか。

是非実物を見られる機会があれば
文字が何と書いてあるか読んでみたいなぁ
(/・ω・)/!

ところで、管理人はひそかに
群馬って三匹獅子舞の宝庫だな~と思っている。
個々の知名度ではやはり東北の獅子舞に勝てないが、
県内かなり多くの地域で
未だに多数の地元獅子舞が受け継がれている!
という意味では群馬もなかなかなではないか…と。

そんな獅子舞の1つ「細谷冠稲荷の獅子舞」↓
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コチラは案内板にあった写真だが、
3月の初午大祭・7月の祇園祭に見ることができるそうだ。
現在まで伝わっている演目は 三匹獅子舞でよく見られる
「四方固め」「雌獅子隠し」など5演目。
是非見に行きたいなぁ(*'ω'*)

ちなみに、初午大祭は大々的にポスターも出て
獅子舞の時間もネットで調べれば大体わかる。
が、7月にやる祇園祭に関しては
あまりタイムテーブルがヒットしなかった。

問い合わせてみると、
祭の日は朝9:30ごろに神輿が神社を出発。
それと一緒に獅子舞は地区内を回り、
10:30から11:00前後に神社に帰ってきたら
最後に舞を神社に奉納するらしい。

その日のまわり具合によって
多少時間は前後するらしいのだが…。
今後の自分のための覚書の意味も込めてメモ。

今回はあまりの暑さと無計画さで
祇園祭に見られる獅子舞を見逃してしまったので…
次のチャンスは来年の初午だな。
という訳で、大してまとまってませんが今回はこの辺で。
(=゚ω゚)ノ