とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

春の安曇野、お舟の祭り。

長野は諏訪に行くことが多いが、
今回は北へ行って安曇野に行ってきた。
安曇野は(諏訪に比べて)なんて近いんだ!」
というのが第一印象。
群馬から新幹線だと、愛しの諏訪は松本のさらに先…
東京からあずさで行けば乗り換えナシですぐなんですけどね。
(´・ω・`)


松本はオシャレ雑貨や漆器、こだわりの工芸品etc…
を扱う店が立ち並び メチャクチャ都会だった
(((;゚Д゚))
今回の目的は「お舟祭り」。
安曇野では穂高神社のものが最も有名だと思われる。
が、実は松本〜安曇野にかけて多くの神社で
海から離れていながら「お舟」が主役となる祭事が行われる。
時期は様々で、GWや秋の収穫の季節など
場所を選べば見られる機会の多い祭りである。

春に行う神社は多くはないが、
今回は安曇野市三郷の楡(にれ)の住吉神社へ。
最寄り駅から徒歩30分。途中にはいくつかの神社がある。
(とゆうより、神社以外に道しるべになるような店がない)

*三郷 熊野神社
まず通ったのは熊野神社
陽が傾き始め、逆光で神々しい…!
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境内と道路は水路で隔てられ、橋が橋として機能している。
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「橋が橋として」って何言ってんの?と言われそうだが、
境内の渇いた場所に(嘗ては水があったのだろうが)
突然ポッコーン!と設置されていて
単に神様が降りてくる場所としての神橋
もしくは「ココから神域ですアピール」になっている、
という状況の橋が多いというのを前提にした感想である。
まぁ、ちょうど田植えの時期だったので
ここも冬になれば農業用水は止まり渇いてしまうのかもしれないが。

狛犬はいかついポメラニアンみたいな感じで、
顔は強めだが体型は可愛い。
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おお、これ↑は もしや
台湾の狛犬みたいに口の中で球が動かせるのか?
(高すぎて確かめられず)

そして、境内には御神木「加助の逆さ杉」。
慶応2年に暴風により倒れ舎利古木となった、
という記録が残されているとのこと。
加助とは貞享騒動を主導した多田加助のことで、
彼が逆さに差した枝から大きくなったという伝説があるとか。
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拝殿に挨拶し、また公道を少し進むと御堂が出てきた。
どうやら広大な神宮寺だったらしいが、
松本城の築城にあたり木材として徴発され廃寺…!
(;゚Д゚)ナンチュウコッチャ…
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先ほどの熊の神社と、次に行く伍社宮。
どちらの神宮寺だったのだろうか?

*伍社宮*
そこからすぐ伍社宮に到着。
まず目に入るのは、この立派な狛犬
狛犬自体がさほど大きいわけではないが、
石を積み上げた山の上にいて躍動的なポーズ。
毛の流れや爪の一本一本が精巧な感じがした。
管理人は狛犬にそんなに詳しいわけではないので
このつくりは何年代の特徴があるとか誰の作だとか
そういうのは分からないが…。
狛犬好きの方にはオススメしたい
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拝殿の前には千度石らしきものが埋まっている。
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本殿は元・穂高神社のものだという。
1829年式年遷宮で払い下げられ、
以降この伍社宮の本殿となっているそうだ。
そのため(囲われていて見えないのだが)
向拝部分のデザインには共通する部分が多いらしい。

各地の大きそうな「伍社宮」「五社宮」を探すと、
日・月・星+天王(スサノヲ)・トヨウケ
という5柱を祀っている所がいくつか。
それとまた別系統で、
1柱の大神+4柱の合祀された神
を合わせて「五社」と呼んでいる所がいくつか。

この伍社宮は、どちらなのだろう。
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神紋は諏訪梶↑(=諏訪大社上社と同じ)なので、
祭神はタケミナカタさん+4柱なのか?
それとも神紋を戴いた上社摂社?
祭神については調べても分からず。
直接問い合わせてみるしかないのかもしれないが…
電話が苦手なので先延ばしになりそう。
(´・ω・`)

さて、拝殿の向かって左奥へ進むと
何やらモシャモシャした社!なんか野生みある!
と覗いてみたら、中には「三峯神社」のお札が。
オオカミさんでした(*'▽')
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オオカミさんの護符と言えば
関東では「御嶽山」が多いイメージだが、
信州は なんとなく三峯さんが多い気がする。
偶然目についたのが三峯さんばかりだった可能性もあるが…。

夕暮れに近づく山並み、
本当に長野とゆうところは美しいなあ としみじみ。
(地元・群馬の山も好きだが)
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*三郷 楡 住吉神社
そしていよいよ、住吉神社到着。
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神社の前が公園のようになっていて、
宵祭の日には ココで山車が御披露目される。
とゆうわけで、明日の本祭を前に船型の山車「お舟」を拝む。
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…語彙が貧困で申し訳ないが、
とにかくデカい。とゆうのが管理人の感想。
船上には穂高人形(ほぼ成人の等身大程度)が飾られ、
歴史や伝説上の名場面が再現される。

今回は「頼朝の猜忌 ついに義経の館を襲ふ」。
義経の手腕に妬みや懐疑の心を募らせ、
ついに頼朝が弟の館を襲う場面だ。

ちなみに、同地域には他の地区にもお舟がある。
こちら↓は最寄り駅・中萱にあったカレンダー。
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神紋が描かれた幕なので、今回の住吉地区ではなさそうだ。

ちなみに、住吉神社のお舟祭は
楡と住吉という2つの地区が行っているらしい。
であるから、お舟も2つある。

あたりが暗くなった19時ごろ、
遠くから太鼓の音がして もう1つの山車が登場。
動くとさらに巨大に見える!
軋みながら 揺れながら 広場に到着!
しかし管理人のiPhonでは暗くて全く撮れない!
Σ(´・ω・`)
とゆうわけで、
地元のおじいちゃんに明日の開始時間を確認し、
スゴスゴと松本に帰ることとした。

*豊科 踏入八幡宮

本祭の日の朝。
実は、この日 近くで別のお舟祭りが 行われる。
中萱から2駅離れた豊科駅で下車し、
だいたい徒歩20分で踏入八幡宮に到着する。
踏入(ふみいり)という地名を見て、
誰が踏み入ったのか非常に気になったが…。
唯一見つけた情報では
湿地帯に民が「踏み入り」水田を開墾した。
という由来が語られていた。
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新しげな、綺麗な拝殿だ。
伍社宮と同じく、拝殿前に千度石のようなもの。

お舟祭りは「宵祭」をする所が結構あるので、
運が良ければ 神社付近に一晩 山車が飾られているのでは?
と踏んだのだが…どうやら読みが外れた。
近くに空き地はなく、お舟は見つからない。
しかし、いろんな方向を向いて耳を澄ませると
すごく遠くで太鼓の音がしている…。
それを聞き分けて位置を特定しようとしているのに、
神社のBGMがうるさすぎる…
その後、田んぼの畦道などに侵入しつつ なんとか発見。
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こちらが豊科・踏入八幡宮の「お舟」。
住吉神社の大型船舶のような山車とは、
だいぶ様子が違うのがお分かりいただけるだろうか。
あの大型船舶みたいなのは「穂高型」と言うらしい。
八幡宮のお舟を曳いていたオニイサンたちが口々に
「こんにちはー!」「インスタにupしてくださいw」
と言っている。真に受けてアップしておこうか
とも思ったが、結局まだやっていない…。
|д゚)(←アップロード不精)

本当は こちらの祭も見たいのだが、
お兄さんたち ゴメン!私は中萱へ急ぎます…
(´・ω・)
2駅しか離れていないとはいえ、電車は1〜2本/時。
逃すとマズイ。炎天下の中、走ったり歩いたりして
無事 おじいちゃんが教えてくれた時間に到着。

*楡 住吉神社(本祭)*
お舟が境内に入る前の舞殿では
地域の女の子たちが舞を奉納していた。
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ここの地域の子は、みんな巫女舞を踊れるとゆうことなのか?
君の名は。」の三葉と四葉を思い出した。
クラスの好きな子が踊ってたら絶対見に行っちゃうよね!
(*'ω'*)※煩悩男子脳です
そして、舞が終わると ついに お舟が境内へ!


安曇野市三郷 住吉神社 お舟祭り(2018.4.29)

鳥居の高さギリギリ、参道の広さギリギリ。
昨日は暗くて見えづらかったが、
ブワブワと大きく揺れながら近づいてくる!
とゆうのも、この巨大山車
真ん中の骨組み以外は竹で作られているのだ。
内側から見るとこんな感じ。
(パノラマ撮影ヘタクソなのでガタガタしてます)
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拝殿前に2台のお船がハの字に並ぶと、
地域を曳行する前に拝殿で神事が始まる。
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この後 氏子地域を曳行し 境内で餅まきをして祭りは終了。

まあしかし、
何故こんな山に囲まれた地域で「お舟」なのか?
…というと、まず
この土地に何氏が住んでいたかという話になる。

そもそも ここが安曇野と呼ばれるのは
安(阿)曇族と呼ばれる氏族が住んでいたから。
この安曇族の始祖はワダツミ(海神)とされている。
モトは福岡あたりを本拠地とし、
漁業・塩作り、交易を生業としていたらしい。

福岡に居た海人系氏族が長野まで来た理由は、
・指導者であった安曇比羅夫の戦死
・もしくは その敗戦自体?  
…など諸説あるらしいが、正確な所は分かっていない。
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こちらが安曇族の長・安曇比羅夫
※写真の像は穂高神社のもの
安曇族について考えるとまたキリが無くなるので、
とりあえずその辺は そのうち
穂高神社の記事にでも書くとして…。

その海人系氏族・安曇氏の皆様が住んでいたので
山間部でありながら
巨大な「お舟」が登場する祭が多いのだとか。

ちなみに、
他のお舟祭もいくつか紹介すると…
数あるお舟祭の中で最大のお舟は
記事の前半で立寄った中萱熊野神社のもの。
8月の最終土日と社会人にも優しい日程となっている。

そして船の数ではやはり穂高神社だろうか。
5艘の船が各町内を回った後
穂高神社境内に集まり大人舟同士をぶつけ合う。
コチラは毎年決まって9/27。
これは先程の安曇比羅夫の命日とも言われている。
ちなみに今年(2018)は木曜日です(ノД`)・゜・。

ついでと言っては何ですが、
安曇野のみならず諏訪大社にも
下社お舟祭り というのがありまして。
これまた今年は8/1水曜(宵祭りは火曜)。

持て余すほどの夏休みがあった大学時代に
もっと平日の祭りを攻めておけば…!
と思う社会人ウン年目の管理人だったとさ。

まぁ、いつかは こう
他の祭りと曜日と仕事の業務量の兼ね合いで
平日の祭りも毎年ちょっとずつ見れたらな…。
と思っとります。
(/・ω・)/!
とりあえず、安曇族出てきた辺りから
強引にはしょった感あるけど今回はここまで!
記事長くなると更新どんどん遅くなるからね。
祭4/29だったのに この文章書いてるの5月半ばだからね…。