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とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

黒沢尻の火除祭。

単独行動が好きだけれど、今回は家族で岩手県・北上へ。
桜を見るために岩手⁉︎え?神社はいかないの?
もう群馬で見たからいいよ…神社行かないのかよー…
と、久々の集団行動にテンション下がった上に
ちょっと前から扁桃腺が腫れて調子が悪い。

しかし、よくよく調べてみれば今日明日(4/22-23)
北上駅近くの諏訪神社で火除祭があるというではないか。
一緒に行くが別行動という約束を取り付け、
急にテンションが上がってきた! 

*4つの山車*

到着後、泊まっているホテルの近くで
谷地鬼剣舞の公演をしているというので見に行く。

が、寒いので見終えたらソソクサと部屋に帰り 昼から入浴。
そして火除祭の山車夜間巡行まで布団をかぶって寝る!
これ絶対熱あるよ…とぼんやり思いながら英気を養う。

山車に明かりが灯っているところを見たいので、
そろそろ暗くなるかという頃を待って出発。

まだ明るさの残る17時半。
土地勘のない場所な上、急に見ることにしたので情報不足。
(ノД`)・゜・。
とりあえず、
山車が動き始める前にどこに停めてあるか把握したいと
歩き回ること数分、まず通りがかりに黒沢尻十二区を発見!
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コチラは短刀を手に 巨大な鯉に飛びかかる鬼若丸。
牛若丸ならぬ「鬼若丸」って誰なのか?というと
答えは、武蔵坊弁慶(幼名が鬼若だったと言われている)。
その幼いころの乱暴者だった弁慶が、
村人を困らせる大鯉を短刀1つで仕留めるという場面だ。

このテーマは、こうした人形山車だけでなく
どうやら刺青などのデザインとしても人気らしい。
管理人は刺青が好きだが、過去に3人くらいに
「鬼若の鯉退治」を見せてもらったことがある。

そして、諏訪神社付近の路地に黒沢尻三区・黒沢尻七区の山車を発見。
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三区は「風神雷神」。
管理人は突風の国・グンマーの民なので、特に風神様が気に入った!
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」が有名だが、
やはり立体というのは迫力がスゴイなぁ。
どうやって作るんだろう。

そして、七区は「徳川家康の鷹狩」。
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この時間、山車を一旦停めて
氏子さんたちは各々の公民館などに居るらしい。
ので、とりあえず山車自体をゆっくり撮影できる。

ちなみに各地区では山車絵↓を配っているようで、
その地区や山車が通る予定の道沿いの商店などでは
山車絵をガラスに張っているところも多かった。
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山車絵は、年ごとにデザインを変える山車の
いわば「完成予想図」のような物と聞いたことがある。
山車絵の束を持っている人を見かけたが、
地元ッティ同士でかたまって話していたので
コミュ障な管理人は話しかけることができなかった。
みんな!オラにコミュ力を分けてくれ!(泣)

ちなみに、三区の「風神雷神」の山車絵の横には
「見返し 弁財天」という文字が書かれている。
この見返しとは、メインとなる正面の人形の裏のデザイン。
山車が通り過ぎた後を目で追うと見える位置に
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このように弁天様がいらっしゃるのだ。

同じように、鬼若丸の後ろには
吉野山 静」
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家康の後ろには「鶏舞」。
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風神雷神と弁財天は、風雨を司る神と水を司る神。
鬼若(弁慶)と静御前は共に義経を支えた人。
大抵の場合、見返しは
「メインの人形と関連深い人物で女性」
というイメージが(勝手に)あるのだが、
「家康の鷹狩り」の見返しはなぜ「鶏舞」なのか。
(鶏舞は民俗芸能であり南部神楽の一演目)

私の勉強不足で家康との関係が見えてこないんだろうか。
それとも単に地元の民俗芸能だからなの?
あと、管理人の見たことある鶏舞って
もっと派手な服だったけど…
こんな喪服みたいなブラック衣装もあるのか?
管理人も、まだまだ精進が必要ですな~
(*´з`)

ちなみに、見返りが女性でないのは
こちら↡黒沢尻六区の山車も同じ。
表は「六」の文字が入った纏を掲げる火消しの姿。
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見返しは北上の民俗芸能「鬼剣舞」の
一剣舞(白い面を付けた舞手)である。
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1日目は探し回ってもこの六区の山車が見つからなかったが、
2日目の午前「なんとか全ての山車を見たい!」と
六区公民館を再訪すると 公民館付近に停車していた。
ラッキー!

さて。「なんとか見たい」とゆうのも
今年は山車を4つとも見られるチャンス。
実は、毎年全ての山車が参加するわけではないのだ。
十二区・七区は毎年だが、
三区は2年出て1年休む・六区は1年出て2年休む。
という感じのリズムなのだと聞いた。
つまりこんな感じ↓だろうか。
※イメージです。ちょっと違うかもしれない。

三 区●●○●●○●●○●●○
六 区●○○●○○●○○●○○
七 区●●●●●●●●●●●●
十二区●●●●●●●●●●●●


三区が休みの時に六区が必ず出るように合わせれば
毎年安定して三台の山車が出ることになるが
今回のように4地区出揃うことがあるということは、
山車が2個しか出ない年もあるのだろうか?


*北上諏訪神社*

ともあれこれらの山車が、
祭1日目の夜・2日目の昼前後に自由巡行するほか、
こちら諏訪神社↓境内で出し物を奉納したりもする。

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長野に通い詰めておなじみとなった諏訪神社
神紋↓はやはり「梶(かじ)」だが、
本家諏訪大社の諏訪梶・明神梶と違い 根っこが無い。
丸で囲んであって、葉っぱがトゲトゲしているから
「丸に立ち鬼梶」とでもゆうのだろうか?
※家紋に詳しくないので適当ですすみません。
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北上駅から徒歩10分ほどと街中にありながら、
なかなか静かで立派な末社もたくさん並んでいた。

さて、そんな末社の中の1つであり
今日の主役(?)がコチラ↓
黒沢尻諏訪神社境内末社秋葉神社である!
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桜を見に来た観光客の中には
諏訪神社の祭りだと思っている人や
2日目の花魁道中にしか興味が無い人もいるようだが…。
小さいながら幟も立って
「今日は私のとこのお祭りです(/・ω・)/」とゆう顔をしている。
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 秋葉様と言えば火災除けの神様として有名だが、
ではどうして春に火除祭なのか。

今となっては、
乾燥したなか火気を使う冬の方が火災リスクは高そうだが
春は風が強い季節である。

今年糸魚川で起きた大規模火災でお分かりのように、
木造は一軒が燃え上がると延焼が速い。
特に建物の密度が高い場所ほど火は瞬く間に家々を渡っていく。
あれをみると、昔の火消し(消防士)とゆうのは
火を消すのでなく燃え広がらないよう
現場周辺の家を壊すのが主な仕事だったとゆうのがよくわかる。

さて、交通の要所として栄えた黒沢尻でも、
昔から多くの民家や店 芝居小屋などが立ち並んでいた。
もちろん建物は全て木造なので火事のリスクは高い。
そんなわけで秋葉神社火除祭のみならず
各地域で火除祭が催されて来たようだ。

鉄道が通り 繁栄の中心地が動き、
また近年では火除も神頼みではなくなり、
少子化も進むetc…様々な背景が重なる現在。
黒沢尻でも十数台あったとゆう山車は4台に…
(しかも、毎年は出せない地区もある)とゆう状況。

栄えた歴史や人の願いの姿を残すためにも、
なんとか観光客を巻き込んで頑張っていただきたいものです!
さて、そんなことを考えてるうちに夜が来た。
山車に灯りが点いた!
さっきは氏子の気配がなかった山車が子供であふれてきた。

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提灯をよく見れば、灯りがゆらめいている。
覗いて見れば、すべての提灯にちゃんとロウソクが使われていた。

山車側面の花の飾りでは、電飾のような小さな電球を使っているらしい。
コチラは牡丹だろうか?
山車上部には八重桜のような飾りも付き豪華である。
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そしてなんと、1日目の夜は自由巡行のためか
交通規制がない(゚д゚)!
なので、普通に路地にバスも入ってくる!
擦れ違えるのかコレ!?f:id:ko9rino4ppo:20170502124108j:image
弁天様も、灯りが付くとひときわ お美しい!
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そして、なんといっても今回地味に見たかったのが
コチラ↓
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ガスバーナー灯。
近づくと確かにバーナーらしい「ボーッ」とゆう音がする。
提灯にロウソクはまだわかるが、
これはあんまりほかの山車で見たことないかも。

動いているところもどうぞご覧ください
m(_ _)m


黒沢尻三区 山車(2017.4.22)

今回管理人は体調不良のため見られなかったが、
2日目の昼過ぎには全ての山車が神輿に先導されて行列を成す。
しかも、その後ろには花魁道中が付き随うらしい。
見たかった。
見たかったが、もはや寒気もぼんやり感も限界である。
泣く泣く、新幹線に乗り込み 次に意識が戻るともう大宮だった。
今回は不完全燃焼だなぁ。

*追記*
ちなみに一日目に鬼剣舞を見た後、
めちゃくちゃ話しかけてくるおじいちゃんがいたのだが。
この火除祭とともに行われる花魁道中について
「アレは地元の男子高生とかがやる」と話していた。

少し気になって調べてみると、
魁道中は「黒沢尻歌舞伎保存会」さんがやっているらしい。
この黒沢尻歌舞伎というのは地芝居の1つで、
明治時代、北上の芝居小屋で演じられた歌舞伎が前身だろう
と保存会さんのHPに書かれていた。
この芝居小屋は寿座と呼ばれ、
明治時代に建てられ平成9年までは残っていたそうだ。

花街でなく歌舞伎ルーツの花魁道中だから
男子が演じているということか~。
そんなところにも
地元の文化の歴史がチラ見えする火除祭となりました。
おじいちゃん、情報をありがとう~(*´ω`*)