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とまのす

ちいさくゆっくり民俗学。

高尾稲荷とリップグロス。

神社仏閣 東京 化粧

東京メトロ茅場町駅から徒歩数分。
住宅街や高齢者施設のある日本橋箱崎町
「高尾稲荷神社」がある。
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本当に、村のお稲荷さんのように小さな
大きな神社の裏に合祀されている摂社のような規模。
しかし、キャラの濃さから知る人ぞ知る神社である。
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高尾稲荷といっても、
高尾山の飯縄大権現を勧請した神社ではない。
新吉原で名を馳せた遊女「高尾太夫」が居るのだ。

新吉原京町1丁目の妓楼・三浦屋。
ここの一番人気が高尾だが、
これは個人の源氏名ではなかったらしく、
この名を名乗った遊女は数名いると言われている。
その中でも浄瑠璃などの題材にもなり有名なのが
この神社に祀られている「万治高尾」。
仙台藩の第三代当主・伊達綱宗との物語から
「仙台高尾」とも呼ばれているが。

遊女が藩主に身請けされたシンデレラストーリー
…ではないのだ。残念ながら全然違う。
浄瑠璃の題材になったと言った時点でバレたかもしれないが、
完全な悲恋物である。

容姿端麗で芸達者な売れっ妓・高尾は
新吉原の妓楼にありながら仙台藩主を射止めてしまう。
彼女を身請けすると言って大金を積んだ綱宗だが、
高尾は想い人に誠を立て藩主の申し出を断ったために
隅田川の三又(この神社より少し上流)で
逆上した綱宗に切り捨てられてしまう。

…そうだよな。
「君の自由のためなら金は惜しくないから、
 心置きなく想い人のところへお行き☆彡」
  (見よ、これが僕の愛のデカさだ!)

みたいな男なら、あるいは
高尾ちゃんだって選んだかもしれないが。
これじゃ身請けされたって後が思いやられるよな。

そんなわけで、生前いかに売れっ妓とはいえ
殿様が河原で切り捨てたのでは
すぐに誰かが助けるでもなし。
高尾ちゃんの遺体は隅田川を流れ流され
ここ箱崎に流れ着いたのだった。
…ずいぶん流れたな!

切り殺されたのが
新吉原に近い隅田川河岸だとしたら
流域的には向島あたりか。三囲神社とか。
スカイツリーって言った方が分かりやすいな。
(一般的には…)
それが、両国も超えてこんなところまで。

まぁ、距離はさておき
流れ着いた高尾ちゃんは
彼女を憐れんだ町の住職さんと
住民たちによって手厚く葬られたらしい。

しかし、手厚く葬った割には
この神社の御神体は世にも珍しい
「遊女の頭蓋骨」
だということでこの神社は有名なのである。

切腹介錯じゃないんだから、
ふつう切り捨てるって言ったら首は切らないよね。
なので流れ着いて火葬してから敢えて頭蓋骨を神社に?
身体だけは住職さんの寺に手厚く埋葬?

…わからん。
わからんけど、非業の死を遂げた割には
この神社、菅原道真平将門的な祟りイメージは少ない。
御神体が頭蓋骨であり、また生前女性で
悩み多き人生をたどった遊女であるせいか…
この神社の御利益は「神経症・うつ・頭痛etcの改善」。
なんと。結構実用的で現代人も使える御利益!

また、遊女・女性といえば髪。
(演歌などでも情念を表現するのに使いますな)

管理人は黒髪ソング(もとい情念ソング)としては
坂本冬美の「千すじの黒髪」が好きです。

〽千すじの黒髪が 夜道を追いかけ夜叉になり~。
ってね。怖ぇよってね。
浮気するやつが悪いんだけど。

黒髪関係ないけど坂本冬美の「夜叉海峡」もいいですなぁ。

〽貴方がそちらで倖せならば 殺したいほど憎みます
 心だけでは いや  抱かれるだけでは いや。

…何だこの歌詞。荒木とよひさ天才か。
いや、そりゃ天才だよね。
こんなヤンデレ歌詞を書いておきながら
たしか、しれっと
ミンキーモモの主題歌とか書いてるしね荒木さん。

…何の話だっけ…。
(´・ω・`)ハテ?

うん、それで、遊女といえば豊かな黒髪
ってことで髪の悩みにも御利益があったらしい。
あとは美人祈願や縁結びもできると言われている。

願掛けの方法としては社の櫛を借り受けて
願いが叶ったら新しいのを添えて返すのが良いらしい。

んんん。社って、この社じゃないよな。
櫛置いてないし。こんなとこあったらすぐ無くなるよね。
どっかに社務所があるのか、まさか後ろの建物?
わからない。

しかし、そんな方法は知らなかったので
とりあえず高尾ちゃんへの手土産には
美容リップグロス買ってきたよ!
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これから冬でカサ付くけど
まさか太夫にメンタームリップは無いよね。
ということでこのチョイスだ。
自分はメイクもしやしないのに|д゚)

願掛けがあったわけじゃないが
ちょっと話を聞いてもらったお礼である。

そういえば、
今でこそ化粧は女性メインの文化となっているが
これは「口紅」の伝来によるとも言われている。
(あくまで、わが島国での話だが)
ここでも「丹」の話を何度かしたと思うが、
古墳時代以前の赤い顔料といえば
鉱物から作るモノが多かったと考えられている。

当時の使い方としては、
刺青のように体に模様を描いたり
または重要な場所に塗ることで
自分の体を守ったり力を表していたのでは?
などという説があったりする。

しかし、大陸から「紅」という
植物由来の鮮やかで深い赤が伝来した。
紅は金にも匹敵するほどの高級品であり、
必然的に塗る面積は小さくなっていった。
また鉱物由来のものと違い身体への害がない。
だから唇に塗っても大丈夫なのである。

赤は力を表し命を守る色から
飾るための色となり女性寄りの存在になった。

さらに江戸時代、
遊女というのは非常に所得の高い職業で
(それだけ身支度にとんでもない出費もあるのだが)
そんな彼女たちにとっても高級な「紅」
どれだけ身体に纏えるかは1つのステータスだった。

マニキュアやペディキュアとして爪に塗るほか
イヤーチークのように耳のフチにうっすら塗る
というのも流行ったらしい。

今や口紅を爪に塗ったらえらいことになるが、
昔の紅というのは貝殻に入って売っていてほぼ固形。
円形の固形水彩絵の具を水筆で溶くように使うのだ。
なので、どこに塗っても支障は無かったはずである。

そして、贅沢の極み「笹紅」。
浮世絵で見たことのある方もいると思うが、
本当の紅花から作った紅というのは
赤の純度があまりに高く
なんと赤色の光を吸収してしまうのである。
そのため、この紅を何度も塗り重ねると
唇は玉虫の羽のように笹のような緑に光る。
(笹紅、でググって戴けば画像たくさん出てきます)
これを利用して、
バッチリ稼いでいる遊女さんたちの間では
「上唇はうっすら紅を指し下唇は厚塗りで薄緑に光る」
というメイクが流行した時代があったのだ。

Wikipedia先生によると、
庶民やあまり稼いでいない遊女たちは
下地に墨を塗った上に紅を指すことで
これに近い色を出し節約した。
というようなことが書いてある。
すごいな。友人が「おしゃれは我慢だ!気合いだ!」
と言っていたが、今も昔も変わらんな。

管理人は流行りのオシャレをする為に唇に墨は…
ちょっと遠慮しておきたい。
女子力と気合いが足りないのだ。

なんだか話が外れてしまったが、今回はこんなところで。
ではまた~(/・ω・)/!