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とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

秩父夜祭、逢瀬の祭り。

先週末は、秩父夜祭に行ってきた。

そもそも秩父という響き自体が好きなのだが、
秩父夜祭は山の神様がかかわる祭りのわりに
かなり駅チカでみられるところも気に入っている。

夜祭というだけあって
夜に雪洞(ぼんぼり)を揺らしながら練り歩く屋台!
というイメージが強いとは思うが…

屋台自体の装飾を見るなら日中がオススメ。
コチラは、本町笠鉾。
金箔を押した上に彩色が施されている!絢爛!
(*'ω'*)❤
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人混みで出会った地元の人によると、
屋台は基本的に男性しか乗れないのだが
中に座っている舞手の人だけはOKなのだとか。
(ちなみにこれは花柳流の方らしい)

笠鉾屋台曳行の見どころの一つ「ギリ回し」は、
スムーズに回転する姿もさることながら
10数トンの屋台が大きく傾く緊張感に歓声が上がる。
管理人も揉みクチャになりながら
ショボくて短い動画を撮ってきた。
↓傾く!このギリ回しの際のお囃子は「玉入れ」と呼ばれる。

秩父夜祭・本町屋台2

↓人混みの中で方向転換する屋台は
 波の中で舵を切る舟のようで感動。

秩父夜祭・本町屋台


そして、中町通りに出ると中町屋台が!
水引幕は亀。龍の彫刻も細かくてカッコイイぞー。

f:id:ko9rino4ppo:20161204222744j:image
秩父祭りに登場するのは
笠鉾2台&屋台4台=合計6台なのだが
中町屋台の鬼板↓はこの6台の中で一番大きいのだそうだ。
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ちなみに、破風(屋根っぽいところ)を境に
下が懸魚(げぎょ)、上が鬼板と呼ばれている。
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後幕↑の刺繍は鯛。

この刺繍はそれぞれ様々な柄で、
秩父祭り屋台の中で最も古いという「宮地屋台」は
猩々(ショウジョウ)↓である。
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宮地は、秩父神社に合祀される以前に妙見宮があった土地。
だから「宮地」という地名なのだそうな。
ちなみに、この合祀の際に妙見ちゃんは
7つの井戸を渡って秩父神社に行ったと言われている。
これらの井戸は今も実際に残っていて、
秩父神社境内に詳しい場所の案内看板がある。
それにちなんで宮地屋台は屋台倉をでてから宮参りまでに
「曳き踊り」を7回上演するんだそうな。
※曳き踊り=町会所や門前や辻で上演する
      長唄・踊り手による所作行事。

というわけで宮地屋台は、
特に妙見ちゃんとのかかわりが深い屋台である!


この3台以外は夜撮ったので、
残念ながら刺繍はうまく撮れなかった…
もっと早くから秩父神社に張り込むべきだった。

*そもそも何の祭なの?*

秩父夜祭は、
その知名度の割に何の神様のどんな祭りなのか捉えきれない。
というより知名度が高いのは笠鉾・屋台の曳行のみ?
的な所がある。

実際その起源は分かっていないようではあるが、
秩父神社武甲山の北面にあり
秩父神社の梟の彫刻は北を見つめ
秩父神社に居る妙見様は北極星の神様
ということから
北辰信仰テイストの強い祭ではないかとのことだ。

また、曳行の際には屋台などに先立って
各町内から「御供物」が運ばれて行く。
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そのため、一年間武甲山から得た恵みを
山の神に還す祭なのではないかと言われたりもするとか。

観光客に有名なのは12/2の宵祭と12/3の本祭だが、
12/4に「蚕糸」祭 12/5には産業発展交通安全祈願祭
そして最終日の12/6には「新穀」奉献感謝祭と続いてゆき
最後に例大祭完遂奉告祭をもって5日間の祭が終わるのだ。

そんなところからも収穫祭的要素が窺えますな。
そもそも秩父祭自体が
モトは御蚕祭と呼ばれていたらしいし!
(*'▽')

そして、一番神話的なのが
「山神さま&妙見さま逢瀬day」説!

3日の夜にもっとも有名な
御旅所への「神幸」が行われるわけだが、
この場所は秩父神社武甲山の間。
夜祭は2人の神様が年1回の逢瀬を楽しむ日
( *´艸`)
と言われているのだ。

↓御旅所から見た武甲山
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なんで年1回なの?もっと逢えばいいのに!
と言いたくもなるが、実は…
妙見様は愛人ちゃんなのだ。
では正妻は誰なのかというと、コチラ!
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梶の神紋!奥山の大木、里に下りて神となる!
ヨイサー(/・ω・)/ッ!お諏訪様だよ!
(テンション高いな…)

…それにしたって、
正妻なのにこんな小さいお住まいなんて。
しかも秩父最大の祭りは主人と愛人の祭りなんて。
本拠地でないとはいえ可哀想すぎやしないか?

と考えてみた。
そういえば諏訪にも北斗星のカミサマが居たけど
(北斗神社。めっちゃ階段がすごいヤツ)f:id:ko9rino4ppo:20161210011052j:imagef:id:ko9rino4ppo:20161210011153j:image
あれは祢宜太夫・守屋氏の屋敷神だとか聞いたなぁ。
諏訪大社No.3の守屋氏はNo.1諏訪氏と何度も争った…
と聞くと「北極星の神様とお諏訪さまが敵対」も納得。
しかし諏訪氏氏神は夫・タケミナカタの方だぞ。
この考え方じゃ妻・ヤサカトメとばっちりじゃないか。

まぁ、そんなことを思いながらお諏訪さまの近くをブラブラしていたら
「女神さんが可哀想だから」と言って
毎年夜祭の日にはお諏訪さまに会いに来る
とゆう地元のおじいちゃんが来た。
いい人だ…(*´Д`)

さて、こちらの立派な神社が
愛人ちゃん・妙見さまのいる秩父神社
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お諏訪さまと比べ物にならない大きな境内である。
今回は既に長くなりつつあるので、
秩父神社に関しては別記事でまた…。

さて、いよいよ夜!
18:30だか19:00に秩父神社を出発した一行が
19:30ごろに やっと聖人通りにさしかかる。

聖人通りは、中町通りを御旅所方向に曲がった角から
秩父鉄道の線路を渡る前までの通り。
込み合ってはいるが、屋台がよく見えるスポット。
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これは御供物。箱の上に縄が乗っている。
この縄は、4/4に行われた御田植祭りで使われた
「藁の龍神」である。

↓近くで見るとこう。
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そして、大天狗のような面をかぶり猿田彦
続いて御幣束らしきもの。
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御神輿が来た。
ココにはヤサカトメだけが乗っているのか、
それともヤオモイカネとかも入ってるのか。
せっかくの逢瀬なのに合祀された神様同伴とかないわ…

といろいろ考えていると、
神馬が来た!
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警官さんが散々「フラッシュたかないで!」
と言うのに観光客が全くフラッシュ撮影をやめない。
この一頭目は落ち着いていたが、二頭目はかなり興奮気味。

たしかに秩父が誇る観光資源ではあるが、
その前に地元に伝わる「神事」であり
第一、馬がビビっているじゃないか…
というトコロも考えていただきたいものだな。

ただ、近くにいた地元のおばあさんの話では
神馬が荒れるほど翌年は豊作なのだとか。

そして、いよいよ
昼間は付いていなかった雪洞を纏い、
各町の笠鉾・屋台が登場!
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こちら、6台の中でも最大の笠鉾。
下郷笠鉾!なんと高さ7m、重さは20t程度あるとか。

そして、こちら↓は
もう一つの笠鉾・中近笠鉾!

秩父夜祭・中近笠鉾

胡弓のような音が幾重にも重なって聞こえただろうか。
笠鉾や山鉾には「鳴り」と言って
ワザと車輪がこすれて鳴るように作ってあるものがある。

軸と触れる部分を綿密に調整したり
地域によってはチョーク粉をまぶして鳴るようにしたり
祭りによって差はあるが、どうやって鳴らしてるのだろう…。

ちなみに、神幸祭の最中は御旅所(手前の道含む)や
秩父神社と一部の道路は完全に通行止め・入退場禁止となる。
そのため、通行止めになる前にチラッと撮ったものだが
御旅所の妙見ちゃんが座る場所は この鳥居の奥。
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右端に少し写っている屋根の下に
亀石という石があって(妙見ちゃんは亀に乗っている)
御旅所でいろいろやっている間はココに御幣が立つ。

そして、翌朝撮ったが
御旅所入口には神社例大祭で立てるようなのぼりばた。
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ほぼ山車の紹介で終わってしまったけれど、
次回は秩父神社自体について書こうと思います~
(*´ω`*)

さいごにおまけで
本町屋台の天井の鳴き龍とオニーサンたち!
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