読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

勝山神社の天井絵。

特にこの日はココが目的というわけでもなく、
通り道に神社があるから寄ってみよう!
という軽い気持ちだったわけなのだが、f:id:ko9rino4ppo:20160724103259j:image
結構土地は広そうだな。
と思いつつ、お邪魔します。
f:id:ko9rino4ppo:20160724222217j:image
写真だとよく見えないのだが、
豊受大神」の文字。トヨウケビメと思っていいんだろうか。
この辺りは地名(旧村名)が豊受だったのか?
というほど、豊受歯科とかそうゆうのがあった。

こちら↓は青面金剛
三猿を従えている憤怒相の神様
というイメージがあるかもしれないが、
この彫刻のように
月と太陽、二匹の鶏、猿を伴うという像容もある。
掛け軸などではよくあるらしいのだが、
こうして散策しながら見つけた石仏では
あまり見たことがなかった。
f:id:ko9rino4ppo:20160724222258j:image
足元は何か台のようなものに乗っているが、
青面金剛は四天王などと同じように
鬼神を踏みつけていることが多い。
削れてしまっているが、ここにも鬼神が居たんだろうか。
f:id:ko9rino4ppo:20160724222346j:image
コチラが拝殿。
全面は上半分すべて格子になっていて、
長野の神社のように風通しがよさそうだ!
そして、かなり年季が入っている感じもする。

お、何か御供えが…
f:id:ko9rino4ppo:20160724222441j:image
コーヒーかい!しかもブラック!
主祭神はスサノヲも
さぞかしすっきり目覚めていることだろう。
f:id:ko9rino4ppo:20160724222717j:image
拝殿内は前面が格子の割には暗いが
キレイにスリッパがそろっていて整頓されている。
そしてふと天井を見ると…
f:id:ko9rino4ppo:20160724222817j:image
格天井には見事な花鳥図が!
うまく照らしてみられなかったが、
フラッと寄ってみた割に驚きのクオリティ!
誰かこのへんには有名な絵師が居たんだろうか?

後で調べてみると、
この絵を描いたのは金井烏洲(かないうじゅう)。
境島村出身の南宋画家だそうだ。
なんと龍海院の障壁画を書いた先生でもあるんだとか!

…って言っても前橋の人でなきゃ龍海院知らないよな。
(´・ω・`)
管理人も中国山水画のことはあまりわからないが、
北宋画が宮廷で盛んに描かれたのに関して
南宋画は在野の文人が主な担い手だったということらしい。

まぁ全国の皆さんは群馬自体を田舎と認識しているだろうが、
ここも以前に記事を書いた近戸神社などがある粕川沿い。
「春駒」をやった川場村などよりは都会だが、
現代のSHIBUYAなどに比べたら
まったく「文化の発信地」という言葉は似合わない。

しかし、ここは山を背後に背負い 目前には川!
「地形」や「自然」が生活の豊かさに直結する
縄文・弥生時代から栄え続けた土地である。

そしてまた、群馬という土地は
大和朝廷が東北地方の平定の足掛かりに使うなど
長らく為政者にとっても
発展させて損はない土地だったのである。

実際、この神社も
東北地方に進軍中の穂積親王が駐屯した場所。
そこに彼の信仰していた
スサノヲとアマテラスを祀ったのである。

そうした政治的利用価値からも
自然と、奈良から派遣されてきた役人が住み、
地元にあった神社などを勧請し
有名どころの神様もやってくる。

また、養蚕や製鉄の技術を持つ渡来人が
集団で武蔵・上野国に移住してくるなどもあって
とにかく今となっては未開の地と揶揄されるが
昔はすごかったのである!

あれ?何の話だっけ。
とにかく、別にこの南宋画家さんが
浮世から離れたくて隠遁してきたわけではないのである。

さて、拝殿の隣には
ほぼ繋がっているような近さで稲荷社が。
f:id:ko9rino4ppo:20160724222910j:image
f:id:ko9rino4ppo:20160724223002j:image
たしかに手前に数匹狐はいるが、
扉には白いハト。
これ本当に稲荷社?八幡様じゃないの…。
と思ったのはさておき、かなり歴史のありそうな社だ。

そしてこちら↓は、
木造の燈篭。

結構無造作に置いてあるのだが、
昔は燈篭は火を入れるものだったことなど考えても
今まで傷まずに残っているって素晴らしい。
細かい組木も小さな拝殿を見ているようでキレイ。
f:id:ko9rino4ppo:20160724223034j:image
裏には小さな祠がたくさん並ぶ中、
1つだけ立派な鳥居をお持ちの末社が。

むむ。新しそうだな。
f:id:ko9rino4ppo:20160724223140j:image
扁額を読んでみると
「天手長男神社」。
f:id:ko9rino4ppo:20160724223225j:image
手長というと、手長足長的な…
ちょっと妖怪っぽいヤツを想像してしまうのだが。
日本で一番有名な天手長男神社は壱岐にあって
そこの祭神は
オシホミミ・タヂカラオ・オオヒルメ
の3人だ。
…誰も手長っぽいヤツがいないではないか。
一応、アメノタナガヒメが合祀されているというが…

もともと居た手長的な異形の神様が
中央勢力の神様に取って代わられてしまったんだろうか。
それとも、熊野の神様みたいに
三神で1つの名前!みたいなシステムなんだろうか。

いまいちわからないが、
偶然に立ち寄った村の神社で
群馬で高名な南宋画家の絵を見られて
イイ本殿をお持ちのお稲荷さんも見られて、
地味に幸運な散歩だったな(*´ω`*)