とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

王子稲荷の巣穴跡。

上野から乗り換えなしで何駅か、
JR王子駅が最寄り駅となる。

駅からも10分そこそこなのだが、
何せこの日は暑く しかも上野を散策した後。
だんだんとフラフラしてきたので
ワキに冷え冷えのペットボトルをはさみつつ
コンビニに退避(´Д` )

一番下の棚の白玉粉と片栗粉を両手に、
悩んでるふりをしてしゃがんで休んでいた。
しかし一向に良くならない!
なぜだ。

試験的に、バッグの中の秩父飴をパクッと行くと
あら不思議。とたんに体調が回復するではありませんか。
なんと、秩父・オオカミの御加護か⁉
ありがたや…じゃなくて単なる低血糖ですな。

お稲荷さんに砂肝そなえてる場合か。
自分もちゃんと食べろってことですねー。

さて、すっかり良くなったので出発してほどなく
立派な鳥居が見えてきた。
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階段を登り切ると、
比較的新入り風ながらもイケメンなキツネが!
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その後ろに控える狛犬は、
土台が透かし彫りでなんだかオシャレ。
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そしてこちらが拝殿。
思っていた以上に豪華だぞ!
周りが板橋みたいなごっちゃりした住宅地だから
なんか小さい神社かもと思っていた…。
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四色の紐の先には、
それぞれ大小の鈴が。
真ん中の大きい鈴には紐がない。
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「ほかに御参拝中の方がいない時は
 どうぞ中まで上がって天井絵をご覧ください」
という旨の張り紙に甘えて上がらせてもらう。
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そしてこの天井絵である。
パッと見、鮮やかなので「なんだ新しいのかな」と
ちょっと気落ちしかけたが …
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グラデーションなども使われつつの
細やかな表情をした雉タイプ(←頭が)の鳳凰。
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さて何人か参拝者はいたものの、
みんなこの豪華な拝殿にお参りして帰ってしまう。
こっちが管理人的にはメインなんだがなぁ。
とおもいつつ、拝殿の横を通ってさらに奥の鳥居へ。
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入口のより古参っぽい狐↓が神域を守っている。
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そしてその先にお堂があり、
その扁額には「本宮」の文字が。
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「本宮」ということは、
先ほど入った大きな建物でなくコチラの方が、
もともと信仰の中心だったということになるわけだが。
権力者に、あのイイ建物を建ててもらう前は
コチラにお住まいだったんだろうか…。
しかし、さっきの稲荷社が「里宮」的な所で
コチラが「奥宮」というには少し近すぎる。
稲荷社に対する本宮なのだったら、
こんなに近いのに別々の建てる意味は何だったのか…
そして、2つの社殿が違う方角を向いているのも気になる。
しかし情報が少なすぎてわからない。

江戸時代にはすでにさっきの稲荷社は大人気で、
浮世絵などにも描かれているそうだ。

ここ王子稲荷は古くは荒川がこの付近を流れ
その岸に建っていたため岸稲荷と呼ばれていたという。
(今もこの辺りは岸町という)
寛政の改革までは、
「東日本一帯の狐が大晦日になると
 装束を正し提灯を持って王子稲荷社に集う」
と言われ、東日本のお稲荷さんの総元締とされた。
(改革時に「関東一帯」に修正されてしまったのである)

東の王子・西の伏見ということか?
だったら伏見系とは別物なのか?
でも関東の稲荷社だって伏見から勧請してるの多いし…
東ブロック本部!みたいな感じなのか。

まぁさておき、
民話によると、この地域の村人たちは
先述の「大晦日の狐火行列」の規模によって
翌年の豊作を占ったというが…

この行列を隠れて覗いた村人によると
「狐たちは方々から集い行列をなして社に向かった。
 装束松(現在は装束榎)の下を通った狐から裃姿になり、
 すべての狐が裃になったところで白狐が現れ皆を先導し
 王子稲荷の森へ入っていった」
らしい。その時に狐たちは口々に
「自分たちが聞き届けた願いをここにお届けしよう」
という内容のことを話していたという。

そして大層な行列の翌年は豊作となるので、
この行列を守って、多くの狐に行列してもらえるよう
王子稲荷の上(奥?)の山に白狐を祀った社を建てた。


残念ながら白狐社は現存しないという話で、
どうやら上のほうの草ボーボーの土地に
石鳥居だけが遺されているとHPには書いてあった。

ともかく、この本宮のさらに奥が目的地。
先ほどと同じように御宮の向かって右の鳥居へ。
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こちら↓は「願い石」もしくは「お石様」。
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この狐はとても大事にされている風だ。
古いのか、壊れやすい材質なんだろうか?
そして、上の写真では見えづらいが
コレ↓がお石様。
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よくあるやつだが、
願い事を念じながら持ち上げて
思ったよりも軽ければ「すぐ叶う」
思ったより重ければ「努力が必要」
と書いてあった。

あまり観光地だとこういうのやるタイプではないが、
やってみたところ重くて持ち上がらず!

ひぇええ嗚呼、しかし…
思ったより重ければ「叶わない」
と言わないところが優しいではないか…(泣)

こんなことなら花園稲荷で
柑橘類を供えてお願いしておけばよかったか…
と、思ったりもしたが仕方あるまい。

石の奥には無数の白狐がいて、
願いを見透かして審議されてる雰囲気満々である。
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…まさか、この石はお稲荷様の商売道具か⁉
「叶わなそうなのか?力を貸してやろうか」という
呼び込みのためにこんなモノが⁉
(※考えすぎです)

さて、蚊に集られながらさらに奥へ。
そして階段を上ると今日の目的地!
「狐の巣穴跡」。
この右の穴↓がそうらしいのだが…
まぁ本当に「この穴」が巣穴だったかは別としても、
農村だったわけだし昔は鎮守の森が厚くて
本当に狐も住める場所だったんだろうなぁ。
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ここの狐さんは
御揚げでなく厚揚げ派らしい。
開けてあるヤツは誰かに食べられている。
カラスか?タヌキか?

ここの巣穴から見ると、こんな感じ↓
左がお石様。右が本宮の後ろ側。
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キレイな社殿も見られて、
民間信仰っぽいのも見られて、
結構充実の境内だった

さて、立派な稲荷社の前を通り過ぎると、
もう一つの出入り口が。
すごく急な坂に建っているので、
幼稚園側から入るとすごい階段だが
コチラは数段の階段のみ。

コチラにいるのは、なかなか古そうな狐さんだ。
土台は火炎宝珠の模様。
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そして相方の土台は鍵↓。
コチラも形はきれいだが年季が…
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…目、タレすぎじゃない?
きつねだよね?つるべじゃないよね?
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入り口の藪の中には、
さらに重みのある狐さんも。
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ついでに(と言っては失礼だが)
王子神社にも行ってこようと思ったが、
もう暑さが限界である。顔が塩吹くわ。
今んとこ髪の毛に困ったりもしてないし!
もう群馬に帰ろう(つД`)

というわけで、今回はここまでー。

王子神社は蝉丸と逆髪姫が祀られているため
 カツラの神社といわれている。
 そこから転じて薄毛に御利益が…
 とも言われているのである。