とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

花園稲荷と「御穴様」

今回はなかなか重鎮感のあるお稲荷様を訪問!
ということで人間の肝は用意できないが、
色々悩んだ挙句に「肝」の字がつく砂肝を買った。
…よく考えたら肝とは言うが「砂嚢」というやつで、
全然心臓でも肝臓でもないんだよな。
色々考えたつもりだが、キツネ怒るかなぁ。

後で某漫画を読んだら、
肝は酸っぱい味がするということで
古来から柑橘類で代用してきたという情報が!
Σ(´Д` ||)
すまん。砂肝、全然酸っぱくないな!
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全然霊とかカミサマとか見えないし、
人の考えや風習を見たくて神社を回っているのだが。
気になるときは気になるのである。

普段全然神様を信じていない人が、
処理しがたい問題に当たった時だけ
「これは何の天罰か」
「何をしたらカミサマは助けてくれるんだ」
と考えてしまうのと似た感じかな。


威圧感の強い神社に行ってビビったときだけ、
ちゃんと二礼二拍手するとか。
そんな感じで今回も、
願掛けとかするつもりはないけど
御供物用意して行こう、と。

*花園稲荷*
さて、今回訪れた花園稲荷は、
みんな大好き(?)上野公園の敷地内。
管理人にしては珍しく観光地っぽいスポットだが…
しかし上野公園は広くて出入り口も多く
各々目指す美術館や博物館へ一直線に行ってしまうためか、
案外「花園稲荷」に参拝している日本人は少なかった。
ここは外国か、と思うほど参拝者は外国出身者ばかり。
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人面っぽい狛犬とか、パグ系とか獅子系とか
いろんな顔のがいるけどココのはなんてゆうか…
ワニとか龍に近いものを感じる
奥行きがなさすぎるのか?口が張り出しているからか?
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参道のあちこち
道の真ん中はもちろん鳥居の外(土の部分)にまで、
海の向こうからやってきた自撮り棒マスターたちが
様々な角度で立ちはだかっている!
誰も写っていない写真を撮るのに一苦労だった…
(;´Д`A
さて、この花園稲荷という神社。
ラグビー選手が参拝しに来そうな名前だが、
モトの名前は「忍岡稲荷」さん。


その昔、廃墟のようになっていた社を
天海のお弟子さんが再興させたらしいのだが…
ココは戊辰戦争でも激戦の舞台となったので、
おそらくまたボロボロになったものと思われる。

その後、かつてこの地にあった寛永寺
この稲荷社周辺を花畑として整備していたため
明治になって「花園稲荷」と改称されたそうだ。
(今は花は全くないのだが…)
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参道の真ん中をふさぐ人々を見て、
「まったくもう、真ん中は神様の通り道なのに!」
と思ってからふと疑問が…

神様って、そんな年中ウロウロしてるのか?
どこに出かけてるんだ?

いや、きっと何かの時に神様が通るから…
普段も通るなよってことかね。

イイ感じに苔が生えた手水鉢↓
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一瞬ただの石かと思ったが、
よく見ると4人のおっさん(?)が支えていた。
神社だが、護法善神なんだろうか。
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これ↑険しい顔と対照的に葉っぱが生えていて
トロールみたいな感じで可愛い。推しメンだな(笑)
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小さめだが奥行きがありそうな拝殿。
縁結びにかなりの御利益があると聞くが、
砂肝しか持っていないので挨拶だけして退散。
しかも
「旧跡(穴稲荷)のほうに砂肝供えますんで
 なんとゆうか気が向いたらお召し上がりください…」
と腰が引けた挨拶である。

五條天神社は後で勧請されたという話で、
昔はこの稲荷社だけで
現在の花園稲荷+五條天神の面積の
およそ2倍あったというから驚きである。

しかも周りは花畑…どんな風景だったのだろう。
昔の日本で花畑と言えば、
いったいどんな花を植えていたんだろうか。


*穴稲荷さん*
そしてついに本丸(?)お穴様へ。
花園稲荷から五條天満宮に行く途中の、
梅紋の入った倉庫(なのか?)の隙間に入り口がある。
小さいが気の強そうな狐が神域を守っている。
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なんと、扉が設置されている!
開けて入っていいよ、と書いていなければ、
入ろうと思えない感じである。

これだけ外国の人がいる場所で
日本語でしか案内を書いていないあたり
観光地じゃありませんよという意思を感じる…。
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撮影は禁止とのことなので、写真はナシ。
風景とか描くの下手くそなのでわかりづらいかもしれないが、
中はこんな感じになっていた↓
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入って正面の祠は、天海が寛永寺を建てる際に
忍ケ丘の狐が住処を失うのを憐れんで建てたそうだ。
つまり花園稲荷を展開の弟子が復興させたのと
同じくらいのタイミングで建てられたということだろうか。
そして右にある菱型で囲まれた丸い窓のようなものは…
暗くて、しかも私の身長では覗いて見ることもできないのだ。
(管理人=149cm)

ただ、入り口付近の穴稲荷の説明を読むと

・左の社は天海が新たに建てたもの
・穴稲荷は花園稲荷(忍岡稲荷)の旧跡

という書き方なので、
この暗い穴が穴稲荷様ということになるのだろう。

上の絵で、その穴の上には宝珠があって
注連縄が掛けてあるのだが…
そこに、戸袋のような細い窓があるのだ。

細い上に格子がついていてよく見えないのだが、
その向こうには社のようなものが見える。
土台の部分しか見えず、
窓の下半分は草や枯葉が見える。

あんなに高いところにある窓なのに、
ここの天井くらいの高さまでは地中ということだ。
そして、あそこに社の足元だけ見えるということは
この暗い穴は社の真下の地下空間ということになる。

なんだろう。
狐が住んでいたであろう岩穴に神域を作って
その岩の上に祠を建てていたのを、
時代が過ぎてから
この穴稲荷の壁と覗き窓(?)を作って
保護した結果こういう配置になったのか?

しかし、窓を作ってあるということは
覗いても無礼はないということなのだと思うが。
(覗くというか、見て参拝するというべきか)
もう少し身長があればなぁ…

雰囲気はあるというものの、
怖い圧力じゃないから居心地はよかったし
怖くて見る気が起きなかったってゆう雰囲気ではないんだが。

せめて地上の祠を見ようと思ったが、
おそらくここだろうという位置
(公園内の歩道から普通に見える位置)
にはトタンやらが張ってあって中が見えない。
隙間からは、かなり積もった落ち葉が見えるだけ。

うーん。
地下は窓があって見えるようになっているのに
地上の祠は見えちゃいけないってか。
なんでだ。不思議だな。
あの細い窓からも、祠は土台しか見えないし。

有名な縁結びのパワースポットだけに
名前を調べればヒット数は多いものの…
歴史とか、考察的なのは少ないし情報不足。

今回は砂肝を置いて、無難に帰ろう。
お口に合うかわかりませんがお納めください。
((((;゚Д゚)))))))
観光地として整備された地域の神社は
隠すべきトコはビッチリ隠されちゃって
隙がありませんなぁ。
でも隠しすぎず何かある感が出てるところが
穴稲荷様の人気の秘密かな。
全部覆うこともできたはずなのに、窓付けたり。

余談だが、
仏教系のダーキニーも女神様だが、
神道系でもウカノミタマ(おじいちゃん)でなく
トヨウケビメ(おねえさん)を祀っている神社がある。

そうしたこともあってか
また「良い願いでなくとも叶えてくれる」
という謳い文句からか、
お稲荷様は女性さらに言えば遊女の信仰を集めた。

特に「穴稲荷」は その名称からだとおもうのだが
遊郭などで働く女性は
性病除けのお稲荷様として信仰していたそうである。

さて、当日は暑い日だったけれど
このまま電車で数分の王子稲荷へ出発ですねー
(=゚ω゚)ノ