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とまのす

ちいさくゆっくり民俗学。

日韓折衷、聖天院さん。

神社仏閣 チャンスン 異類婚姻譚 クマ 風神雷神

風神雷神にご挨拶*
高麗神社から歩いて数分、
着いてみると 予想より重厚な山門が!
神社で期待値が下がった分、テンションがあがる。
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扁額には「高麗山」の文字。
ここの正式名称は、高麗山聖天院勝楽寺さん。

雷門なので、もちろん雷様がいる。
にしても予想外の大きさと年季ですごい存在感。
(目が大きくて少し可愛い…)
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そして相方は勿論、風神。
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風神雷神ともに ガラスか水晶かわからないけれど
目がちゃんと玉眼になっている。
本体の色が剥げていても目力は健在!

しかし、風神も赤というのは珍しい気が。
結構、雷神は赤・風神は緑として描かれることが多い。

詳しい由来はわからないけれど、
バラモン教ヒンドゥー教の神様を見てみると
風神・ヴァーユは緑の肌
雷神・インドラは赤い肌(文章では茶褐色とされる)
で描かれている。ここから来てるんだろうか?

もしくは、この二人を「鬼」神と考えると
日本には赤鬼(動)と青鬼(静)がいる。
青は緑色で表現されることもあるので、
その組み合わせか…?

※そもそも、日本で一番有名な風神雷神である
 俵屋宗達風神雷神図屏風」の影響で
 雷神は「白」の印象のほうが強いかも⁉︎

さて、
階段を昇っていくと、
どこかに受付があるようなのだが
庭掃除のおばさんと庭師のおじさんがいるのみ。
受付と書いてある小屋は電気もついていない。

ウロウロしてみたが分からないので
庭師のおじさんに「誰にお金を渡せばいいですか」。
すると「そこに受付の人いるからー」と言われる。
どこだ!と思っていると
掃除のおばさんが「ハイこちらですー」と受付に入っていく。

この人が受付嬢さんなのね!
ウロウロしてるとき目の前にいたんだから声かけてよ~。
どう考えても参拝者でしょ!

そしてパンフレットを渡されるとともに
「拝観時間あと30分ほどです」と知らされる。
(おばさんによると20分ほどで回りきれるとのこと)

 

阿弥陀堂

まずは広い広い砂利の庭を歩き、

阿弥陀堂と本堂へ。

建物の前に広場的に広がる砂利は

なんか首里城前の広場を思わせる。

大勢の人が並ぶための場所かと思うほど広い。


こちら、阿弥陀堂↓。
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よく見ていただくと、お堂の扉の取っ手が
三日月と満月の形になっている。
管理人は本当に仏教オンチなので、
たとえこれが仏教の一般的なモチーフでも
ぜんぜん気づかずに意味を考えてしまうのだが。

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とりあえずこちらが拡大図。
満月と新月なら間逆のものか、と思うのだが…
それともまさか、丸いほうは満月でなく太陽?
でも薬師如来なら両脇時は日光・月光菩薩だが
これは阿弥陀さまなので観音・勢至菩薩だから関係ないか。
(・ω・;)(;・ω・)ワカラン

もしくは
阿弥陀様は二十三夜講の神様だから
これ、参拝者側から見るんじゃなくって
ご本尊から見て二十三夜の月…なんてことがあるだろうか。

仏教建築をよく見てる方、
御存知だったら教えてください!
ヾ(。>﹏<。)ノ泣

 

*本堂*

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こちらが本堂(外観↑、堂内↓)。
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もともとは、ここで弔われた高麗王・若光のため
彼が携帯していた仏像(念持仏)の聖天様が本尊らしい。
1600年代の火事で消失してしまったのかわからないが、
現在はどうやら不動明王がいらっしゃるようだ。
(目が悪いが、厨子の中にカルラ炎が見える気がするから・・・)

本堂前の灯篭?には
各面違う楽器を持った天女レリーフが。
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そして香炉の上にはタレ目がちな獅子…
毬のところが透かしになっているのが素敵!
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そして、寺院でたびたび見る謎デザイン。
狂暴そうな奴の口から猛獣みたいな手(足)!
生え際に角があるから鬼なんだろうけど、
鬼足香炉の簡略版なんだろうか。
だとすれば、こいつらは護法善神的な鬼?
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何か故事・由来があるんだろうけど、
全くわからん。

さて、この辺までは日本の寺院~ってかんじだが、
この仁王像↓を過ぎたあたりから一気に韓流(?)に!
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*唐突に韓流エリアへ*
まずこちらが、高麗から日本に逃れ
高麗郡の発展に尽力した若光の像!
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そしてこちらは若光の墓…ではなく、
在日韓民族の無縁仏さんの慰霊塔である。
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燈篭には、
重力を無視した感じの獅子(?)がくっついていて
何とも言えず気持ち悪い顔をしている。
角度のせいでそう見えるんだろうか
(とはいっても日本の狛犬だって気持ち悪い奴はいっぱいいる)
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その下の段は、六角形の一辺に2つづつ
何かしらの動物が彫られているようなので十二支か。

そしてこちら、羊の石像。
朝鮮半島では、お墓に一対の羊像をおくことがあるそうだ。
少し足だけ写っているのは、
兵士のような恰好をした人間の石像。

韓国の庭園でも羊・人・燈篭=ワンセット
として置くことはよくあるらしいので、それに倣ったんだろうか。
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で、こちらが八角亭↓。
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これはソウルにある八角亭の縮小レプリカ的なもので、
まぁ散策中の休憩所という感じの大きさなのだが。

本物はソウルの塔洞公園にあるそうで、
日本が韓国を植民地にしてしまっていた時代
ある学生により元祖・八角亭で独立宣言が読み上げられ
独立運動に火が付いたらしい。

これ以外にも檀君像↓なども設置されている。
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檀君は、檀の君主・王検のことで朝鮮民族の祖 といわれている。
彼は熊と人の間に生まれた子供だとされている。
(正確に言えば、この人というのも神であり、ヒトでないのだが)

なんだかやたら「あんなのはうそっぱちだ!」と騒ぐ日本人がいるが、
そんなこと言ったら
「ニニギは永遠の命を持つ不美人・イワナガより
 命に限りある絶世の美女・コノハナサクヤを嫁にしたので
 われわれ人間には寿命があるのだ」
というのだって嘘だろうに。
まったく、自分のことは棚に上げおって。

まぁ、この檀君神話というのは要するに
地上を治めることになった天の神の息子さんが
地上で人になりたい熊と虎に出会うわけ。
そしてヨモギ一握り&ニンニク20個をわたして
100日 太陽にあたらなかったら人間になれるよ!
といったわけ。
果たして、虎は途中で逃げ出し熊は絶世の美女になったが
熊はさらに子供を産むことを望んだので
神様の息子は自分が人間の男の姿になって熊を娶ったよ。
その子供が檀君韓民族の祖先です!

という話だが。
だったら彼を守るのは熊でもいいではないかと思うのだが、
なぜかライオンなんだなこれが↓
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日本にも熊との異類婚姻譚は多く残っていて、
アイヌの世界では山の大いなる神・熊(キムンカムイ)が
人間の若い女性を殺した場合は
「嫁に取るため神の国に連れて行ったのだ」
と言われたりしたらしい。

また、マタギの間では
冬山で遭難したが熊の巣穴に入って助かった話から
その熊との間に子ができる話も存在する。

そして、一番檀君の話に近いのが
沖縄の「熊女房」。
こちらは、男性は琉球の王様。
中国あたりに留学に行った帰りに船が難破し、
王様は無人島で数年間過ごすうちに雌熊と子供をもうける。

そしてある日、船を見つけた王様は
熊に食べ物を探してくるようにと言って出掛けさせて
息子を連れて船で琉球に帰国!
ひどい話ではあるが10年もの間
王様を未発見で放置するのもちょっと微妙である。

ツングース系民族の民話では
人間(の形をした男神)と動物の間に
人間の祖先や重要な神が生まれる話が多いというが…
その理論で行くと
「青い狼と白い雌鹿の間に人間の祖先が生まれた」
とするモンゴルの伝承はなかなか特殊かも。

さて、ここを過ぎて折り返す道は、
再び和風に戻る。
こちらは、神社仏閣めぐりの常連(?)庚申塔だろう。
申はしっかり彫ってある割に
青面金剛はどこにもいない。裏側は蓮の花である。

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受付のある場所へやっと戻ると、
もはや門は半分以上閉められている。
むしろちょっと門扉と大門扉の間に隙間があるだけだ。
「もうアンタだけですよ」感が満載。すいません!
だって20分くらいで見られますよってゆうから…
(結局45分くらい見ていたらしい)

そして最後に再びあの山門をくぐる。
最初は風神雷神に圧倒されていて気づかなかったが、
内側から見れば天井には見事な鳳凰が!
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そんなわけで、結構大満足な聖天院でした!

と、気を抜いていると
結構気持ち悪い奴が目の前に!
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なにこれ…大きさはトルハルバンくらいだけど
形は将軍標的な…でもどっちでもないな。

ちなみに、本物の将軍標(チャングンピョ)はコチラ↓
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韓国料理店の入り口などにはよくあるとおもうが、
村の入り口に建てる魔除け(域を区切るもの)
的な使われ方から考えると塞の神に近いと言っていいだろうか。

このように顔が彫られた柱を「チャンスン」とも呼び、
一方で柱の頂点に鳥(orその象徴)が付いたものを
神竿(ソッテ)と呼ぶらしい。

ソッテ(頂点に鳥などをあしらった2本の柱)は
韓国のみならず各国に残るものらしく
もはや下諏訪病の管理人は
御幣の柄が一番上についた御柱
このソッテと起源は同じじゃないのか?
的な方に思考が行ってしまっているのだが。

とりあえず今回はこんなところで写真も尽きたので終了~。