とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

子神社のステンレス草鞋。

群馬県館林市生田町。
ここに子神社(ねのじんじゃ)がある。
地図上で発見して、
駅から自転車で行けそうだったので行ってみた。f:id:ko9rino4ppo:20160409114116j:image

鳥居の扁額は、白龍と暖色系の花で
なんだか可愛らしいカンジも。
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そして隣接する御稲荷さんは
鳥居工事中( ゚Д゚)
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でも拝殿の奥にはちゃんと鏡があって
玄関が工事中なだけでちゃんとお住まいのよう。
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子神社とは、ねずみを祀っているのかしら
なんて適当な考えで行ってみると、
なんと。

八王子で釈然としなかったことが
「そうだったのか!」
となったのであった。

今年の3月 八王子で絹の道巡りをした時に、
諏訪神社という神社を訪れたことがあった。
記事はこちら
絹関連とされているためか
旧本殿の覆殿におさめられた落花生型の金属板は
方々のブログや何かで「繭の形」と言われていたのだが。
繭は真ん中なんてくびれていないぞ(-"-)?
まるで靴の中敷きではないか…
と不審に思っていた。

その時の写真がコレなのだが↓

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今回、子神社で見た
これですよ!f:id:ko9rino4ppo:20160409111342j:image
やっぱり靴(草鞋)だったのだ。
ステンレスのペラッペラの草履とはいえ
この長い垣根を埋め尽くすように奉納されて
なんというか壮観である。

そして本殿にも。
燦燦と輝くわらじたちが!
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そして「子」の権現と言うだけあって、
神前幕にも瓦にもねずみがいっぱい…(*'ω'*)
虹梁の彫刻にもねずみと米俵、そしてちゃんとわらじも!
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現在は祭神もオオナムチノミコト(大国主)。
大国主さんは(人為的な)火事の中ねずみに救われ
また習合した大黒天さんが北(子)の方角の神
ということもあってネズミと関係が深いのだ。

が、しかし!
実はねずみや大国主と子神社はあまり関係ない。
境内にある縁起にあるように
ココも神仏分離によって大国主祭神としたが
それ以前は「子ノ権現」を祀っていたという。

この子ノ権現様と言うのは、
元々神様ではなく人間。
生まれたのが子年子月子日子刻だったことから
幼名を子ノ日丸、のちは子ノ聖と呼ばれたお坊さん。
ねずみとは関係ないのだ。

彼は修行中に魔火によって脚を焼かれ
腰や足を傷めて苦しんだことがあるので、
亡くなるときに
「私は死ぬけれどこの山で永く衆生を守るよ。
 足腰で困ったらどうにかしてあげるから祈ってみて」
的なことを言ったそうだ。

それから弟子の恵聖上人が彼を
「子ノ権現」
として祀ったのが埼玉の子ノ権現天龍寺
と言われている。

そこからお招きした権現様だったのだろうけれど、
神社は「権現様」を祀っちゃだめですよー。
という神仏分離令によりピンチヒッターとして
「健脚自慢で全国を行脚して歩いた大国主
というムリヤリなキャラ付けで
日本神話の大国主様が擁立されたわけである。
あとは、子=ネズミ繋がり。

拝殿の中は、
ハッキリとは見えないものの
鎧を着た武士を描いた絵馬などが。
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こちらも鳥居の扁額と同じく、
彩りがあって雰囲気は明るめ。
そして、やたら今っぽいタンス(;´∀`)
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外側の屋根付近には
鉄?針金?で作ったような草鞋も。
大国主は鉄の草鞋で全国を歩いた」
という話に基づいているのか、
それ以前から納められていたかは不明だが。
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八王子の諏訪神社(もと子ノ権現)も、
繭を守る蛇神や絹笠明神のような女神様というより
生糸を売りに行く鑓水商人たちの
足や旅路を守る神様だったのかもなー!
といまさら落花生型金属板に納得。
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私が「フンドシ!?」と勝手に思っていたこいつも、
よく考えてみれば脚絆だな…きっと…。
とんだカンチガイだったぜぃ(*ノωノ)


*おまけ*
狛犬。新しそうだが、とにかくモフモフ感がある。
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おそらく、こちら↓が第一号狛犬
目のかんじを少し残すのみだが、
今でもちゃんと2匹そろって座っている。
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青面金剛さん。
前橋市街では「庚申塔」という文字だけのものが多いが、
今回館林ではいくつもちゃんと姿のある青面金剛さんに会った。
ちょっと三頭身でかわいい。
足のすぐ下でうずくまって踏まれているのが邪鬼
その下が「見ざる言わざる聞かざる」の三猿と思われる。
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こちらは十九夜念仏供養塔とあったが、
これが供養塔なのかというような立派な仏像が乗っていた。
しかし、
十九夜講を担当する仏様は
女人、特にお産を軽くするという如意輪観音のはず。
方ひざを立てて座っているのは確かに如意輪観音っぽいけれど、
しかし、肝心の「法輪」持ってないぞ…。
よく見えなかったけど、如意宝珠は左手に持ってるのだろうか。

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髪型は冠の上に高く髪をまとめ観音様風だが、
首や腕に装飾品はつけていない。
そしてまるで弥勒菩薩のように
片手を頬に当てて思案しているようなポーズ。
如意輪観音様としてはちょっと変わってるかも。