木曽とは言っても、長野ではない。
神社があるのは群馬県渋川市下箱田。
階段を下ると、正面に拝殿。
そして、その右側には池!奥には滝のようなもの。
人工的に囲われたのとは違う、視界いっぱいの水。
きっと緑の綺麗な時期、朝とかに見たらさらに綺麗だ。
どうもやけに目を奪われる綺麗さだと思ったら、
県の環境保全地域というやつに指定されていた。
「涌玉」と呼ばれる 赤城湧水による池だとかで、
昔は皇室に献上する御用アユを育てたりしてたらしい!
拝殿に上ろうとすると、階段の両脇に大小の石。
なんだこれ?
狛犬ならぬ、狛石…なんて無いか(;´・ω・)
でも狛犬的なものにしては大事に囲ってある。
後でちゃんと調べたら、狛石(?)じゃなかった…笑
向かって左は、
この地に御神体を運んだ者の石像(の、土台)。
向かって右は、
休憩のため御神体を岩に置いたら
その岩からびくとも動かなくなった( ゚Д゚)!
ので神社をここにした。という伝説の石らしい。
そして、階段を上ると
お賽銭箱には笹竜胆の家紋。
この笹竜胆は木曽義仲のもの。
あの「武勲美女・巴御前」の主君である(=゚ω゚)!
彼が敗走し討ち死にした後 部下たちが
「主君の信仰していた三社を安心な場所へ!」
とゆうことで
この辺りまで御神体を背負って来たそうで。
しかし、もともとこの土地の人でもないので
土地の者が怪しみ「背負っているのは何だ」と尋ねる。
部下たちは「ただの箱だ」とシラを切ったので、
ココの地域は「箱田」という名前になった…
とゆうホントかよ!と言いたくなる話。
(;´・ω・)
その木曽義仲が信仰していた三社
阿礼神社・沙田神社・岡田神社からそれぞれ
スサノオノミコト
彦火々出見&トヨタマヒメ夫婦
ウケモチノカミ
という合計4人の祭神を招いて祀ったそうだ。
拝殿の右へ進むと、たくさんの石塔。
奥から、読める限りで
愛宕神社、武甲山大_、__天、住吉大神、秋葉神社
そしておなじみの(?)猿田彦太神×2、道祖神。
さらにこの右にも石の祠がたくさん並んでいた。
その奥の神社は扁額を見てみると、
「正一位早虎稲荷大神」。
その横には矢張り同じくらいの建物があって、
そちらは不動明王のよう。滝があるから?
そして、その滝のそばには
水と関係深いイチキシマヒメの祠も。
神様たくさんな神社だなー(*'▽')
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神社自体についてはこれくらいにして、
この立派な参道について。
冒頭ではさらっと「階段を下ると」と書いたけれど、
そうなんです。「下ってる」んです!ほら。
茂みに囲まれた鳥居をくぐってみると
小さめの鳥居からは想像できない
もはや小さな集落のような高低差のある境内に驚いた。
( ゚Д゚)!!!
こういう鳥居より拝殿が低いような参道を
「下り参道」と呼ぶ。
有名どころでは出雲大社がコレ。
他に宮崎の鵜戸神宮・熊本の草部吉見神社
そして群馬の貫先神社が「三大下り参道」らしい。
管理人も鳥居をくぐって「!?」となったように、
見慣れないと結構な違和感である。
なんといっても神様が自分より下方にいるという。
「祭神が水の神であるから
龍が池の底に棲んでいるように
社殿も窪地の底にあるんじゃないでしょうか」
という人もある。
たしかに、鵜戸神社は修験道の聖地で
本堂が岩窟の中にありそのすぐ横に海が見える。
草部吉見神社と木曽三社神社は境内内に
湧水と その水を湛えた池がある。
ただ、貫先神社はそのどちらでもない(気がする)。
↑祭神を見てもフツヌシとヒメガミ。
フツヌシといえばタケミナカタと対とされ
※香取神社ー鹿島神社の祭神
どちらもカグツチが殺されたときに
その血潮から生まれた神(orその神の孫)。
だがそもそも何の神様とも判別しがたく、
「フツ」は震う・沸 に通じ
「湧きあがり萌え出ず」力の神とされ
衰弱したものの病気平癒から湧き水、春の植物まで
様々なものと関連付けられる例があるが。
言ってしまえばモヤッとしている。
例があって下り参道だからと言って
貫先のフツヌシさんも湧き水の神!
と決めつけてしまうことはできない。
「ヒメガミ」にしても、
特定の神の名前でなく 昔の日本人が
「藤原孝標女(たかすえのむすめ)」
などといったように「__の娘、妻、姉妹」
的に主祭神と関連深い女神をさす言葉。
貫先神社の女性神は機織りの神だと言われるが
なんだか確信は持てないカンジ(;´・ω・)
私がうまく水要素を見つけられないだけだろうか…
「おバカねぇ、どうみても水の神社じゃない」
という方が居たらぜひ教えてください…
(ノД`)・゜・。
またほかの説では
朝廷に逆らう「夷」「戎」が祀っていた神を
強力であるため排除はできず、
しかしせめて貶め力を抑える設計では?
という人もいる。
確かに、宮崎・熊本(九州)、島根など
土地の豪族が朝廷をてこずらせたり
国つ神の代表格である大物主が居たり。
私はこの説が好きだし
あながち間違いではないのだろうけれど
「でもなぜここだけ?」「東北には全然ないの?」
などなど疑問は山のように残る。
そのへんも考えがてら
岩窟にある本殿…磨崖仏…
普段あまり行かない海辺の神社…
鵜戸神宮は是非行ってみたいなぁ(*´ω`)
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🌸追記🌸
後で調べてみたら、
秋田の唐松神社も下り参道だそうで
(ただしここはもとは本殿が山にあったが
神社前で落馬した殿様が怒って下り参道にしたらしい)
ほかにも竹島(鹿児島県)の聖大明神社
お寺では京都の泉涌寺などが下り参道とのこと。
竹島も海神の娘・トヨタマヒメを祀っているし
泉涌寺も龍の絵があったり
観音さま(楊貴妃観音)が居て水と関連する。
三社神社のモトになった三社はどうかな
と思ったけど、
一番水に関連深そうな沙田神社も
別に下り参道ではなかった記憶…(´Д⊂ザンネン
※でも参道の両脇が蓮田らしく、蓮の葉が茂り
鳥居も古めかしくて素敵な神社なのでみなさま是非。