とまのす

ちいさくゆっくり、民俗さんぽ

鏡を開く。

七草粥の7日、七草はおろか

お粥すら出ず点滴していた管理人ですが。
 
昨日、小豆が出てきました。
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なんだこれ(=゚ω゚)?と思ったけど、
よく考えたら今日は鏡開きでしたね。
普通に食べれる患者さんには
餅入りお汁粉が出ているのか…?
 
そういえば
大学の頃見たウィキペディアに、
高知では汁粉に 餅でなく
茹でた魚が入っている。
と書かれていたっけ…。
すごく気になる(=゚ω゚)!
 
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
 
まあそんなわけで、鏡開きでしたね。
我が家の構成員からも写真が来ました。
 
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✉︎ 今の時代は便利ですねー。
   年寄りのカカトみたいな 硬いヒビ餅を
     槌で力一杯たたき割らなくとも、
   鏡餅型のパックの底を開ければ
      切り餅がでてくるなんて
 
だそうです(笑)
 
この鏡開き、
年末年始に散々食べた胃腸を
七草で労ったのに また餅かい!
とゆうタイミングでやってきますが。
 
このタイミングにも理由があります…
 
お正月の間、
門松目指して飛んできて
お餅を依代にしていた神様たち。
彼らは毎年6〜15日ごろになると
それぞれの居場所に帰宅します。
※日付は地方によりけり
 
この「松の内=年神様がいる期間」
が終わると門松を片付け、
それが済んだら
神様が使っていたお餅を食べて、
そこに移った神様の力を戴くのです。
 
とゆうわけで、
正月っぽい行事はこれで終了。
鏡開きは正月の〆!
とゆう地域が多いようです( ´ ▽ ` )ノ
 
今でこそ、単なる神様の目印
みたいな扱いの門松ですが、
昔は門松にする松を
その都度 山から採ってきていました。
これを「松迎え」と言います。

ちなみに江戸時代ごろの松迎えは、

旧暦12/13頃だったらしい。
早!(◎_◎;)
そして、もしウッカリしていて
年末も差迫って飾るときは…
29日は「二重苦」に繋がる!
31日に飾ると「一夜飾り」!
と言われますので注意Σ(・A・;)
 
話は逸れましたが、
そうして山から松を戴くことで
山にいた神様に家に来てもらい、
歳神様として迎えます。
 
でも書いたように、田の神様も
春に来て秋に帰る(春秋去来型)での
山から出張サービスが多いので、
似た感じですね。
 
歳神様は地方によって
実に様々な名前と仕事があって、
実際 農業圏では歳神様=稲神様
というところも多いようです。
 
これに関しては本居宣長さんが
トシガミとは「年」神ではなく、
村々で作られ天皇に献上される米の神
     ‖
天皇のもとに登る農民の志の神
則ち「登志」神である。
という説を唱えていたりします。
なんか稲が関わってくると、
必ず民と神の関係では完結せず
天皇さんが出てきて複雑化しますねー。
(;´Д`
そして、松から離れて餅の話。
「鏡が神様の依代である」という話は
皆さん何となく知っていて、
鏡餅という名称には納得済みかな…。
 
とゆうことで別の話。
昔ながらの鏡開きでは、
槌で飾ってあった餅を割ります。
現実的に考えても、
三が日飾り通した餅は石のようで
とても包丁ではムリなのですが…
 
でも、そうゆう話じゃなくて!
Σ(;´Д`A
 
この「割る」文化は
武士階級から広まったと言われ、
丸いものに刃物を入れるのは
切腹を思わせるのでやめよう!
とゆう理由だそうです。
 
その名残で今も鏡開きを
「鏡割り」
と言う地方もあるようですが。
割るとゆうのも縁起が悪いから
開くにしようよ!
末広がりっぽくてイイネ!
とゆう理由で「開く」が多いとか。
 
猟師さんが
猿(去る)をエテ(得て)
と言ったようなものですね( ´ ▽ ` )ノ
 
そしてさらに遡って室町時代
男性が鎧に供えた餅を「具足餅」
女性が鏡に供えた餅を「鏡餅
と呼んだのが鏡餅の始まり。
とゆう説があります。
 
この場合も飾る時期は大体同じく、
小正月(15日)過ぎたら食べたとか。
具足餅を食べる=刃柄(はつか)祝い
鏡餅を食べる=初顔(はつかお)祝い
と言ったそうなので、
やはり20日に食べたのでしょうか…。
(ふざけているわけではないですが、
   昔の人は案外駄洒落好きなようですので…)
 
だんだん鎧という物がなくなってきて
鏡餅だけが残ったのか?
男性中心なイメージのある封建社会で、
なぜ女性の風習が残った?
 
男女が各々餅を供える風習は
いつごろ廃れた?
 
いろいろまだ知らないことが
山積みではありますが、
 
古代日本で見られた
男性は為政者 女性はその守神。
と言うヲナリ神信仰的
   の後半、カヤちゃんの話の部分)
的な考え方が、
マクロでは男性中心封建社会になってからも
ミクロレベルの風習などに残っていた!
としたら、
女性の道具である鏡&供えた餅には
(竃などと同じく)
具足に供える餅をカバーするほどの
家ごと守るような大きな力が…
あった”かも”知れませんね(・ω・。)
妄想の域を出ませんけど。
 
余談ですが、
地域によっては鏡餅
豊作か否かの占いに使うところもあり。
よくヒビが入れば豊作!
とゆう場合が多いようです。
 
寒四郎の九日傘
(1月4日は乾いて寒く、9日は雨だと豊作)
とゆうのもよく聞くので、
冬は雪がなく乾燥してるのがいいのかしら。
 
とおもいきや、
こちら秋田では、
ヒビはよくないことのようです(◎_◎;)
 
まあ、ヒビや餅肌の様子には
温度・湿度などの自然条件が出るので
あながち非科学的とも言えませんが。
 
にしても
「おいしいので希望はある」
って…そうゆうもんなのか(;´Д`
 
ああ、早く退院して
モチが食べたいなー。