とまのす

ちいさくゆっくり、民俗さんぽ

台所の三宝荒神さま。

新年早々入院した

病弱な管理人がお送りします…
 
どこへ行っても無遠慮に
神様を覗いて撮ってるバチかな?
(・ω・`)フゥ
 
今回は、
うちの祖母宅の台所から。
 
台所の隅なので暗いけれど、
水と鏡餅が備えてあります。
 
※普通は、三宝荒神さんに供えるのは
  三段の鏡餅とされています。
  が、うちの祖母が横着して
  お稲荷さん用と一緒に買ったようです。
  (;´Д`A
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そして

白ワインか日本酒のような色ですが、
祖母宅のグラスが黄ばんでいるだけで
普通の水です…(^_^;)
 
さておき、
手前の一社宮に入った白いお札が
三宝荒神」さま。
毎年、大阪にいる親戚が戴いてきて
祖母宅まで届けてくれます。
 
ウチには居ないよor神様に興味薄だよ
という人は見慣れないかも知れませんが。
さんぽう こうじん
と読みます。
 
古来より 台所や竃など
火を使う場所は清浄な場所である!
ということで、
不浄を嫌う荒神さまは
竃や台所の神様とされたのです。
 
そんな流れで、
祖母宅におわす三宝荒神さまも
台所に祀っておるわけです。
(が、祖母宅の台所が清浄か心配です)
 
この方は
結構起源がモヤッとした神様です。
 
そもそも「荒神さま」というのは
日本に昔からある考え方で、
神様の恐い部分=荒魂(あらたま)
を祀ったもの。
※それに対して、
神様の優しい部分のことは、
和魂(にぎたま)と呼びます
 
大いに祟る!と言われる一方で、
専心して祀れば様々なメリットが。
とゆうのが荒神様。
信仰の中心地は
西日本(特に瀬戸内海周辺)です。
 
西日本出身の方は特に、
初めての御宮参りの時
額に「大」「犬」「小」の文字や
×印を紅で書かれた記念写真とか…
ないでしょうか?
キン肉マンの「肉」的な状態)
 
これも荒神信仰の一端だそうです。
昔は紅なんて貴族しか使えなかったので
庶民は鍋底の煤を使ったりして書き、
それを「荒神墨」と呼んだりもしたとか。
 
この額に印や文字を書く風習は
綾子(あやつこ)と言って、
昔は宮参りに限らず
乳児の外出時は常に行ったよ。
とか
子供を川遊びにやる前にやったよ。
とゆう地域もあるとか。
 
この文字を書くことによって、
火の神・荒神様の所有物にする
=他の者は触れられなくなる
という意味合いがあるようです。
 
ところで、ご近所・中国では
5月の端午の節句
ヨモギ酒を飲む地域があるそうで。
健康のための風習らしいのですが、
子供たちは飲酒ができませんよね。
そこで(=゚ω゚)!
このヨモギ酒に塗料を溶かして、
それを頬に塗ったり
額に字を書いたりするそうです。
日本の綾子(あやつこ)は
平安時代の貴族の日記に
記録があるらしいので…
中国から文化輸入しまくった
奈良時代あたりで
このヨモギ酒の風習も渡来して、
日本にもともと居た荒神様と
ミックスされた可能性も⁉︎
ちなみにこの風習、
西日本では「あやつこ」ですが
東北では「やすこ」と呼びます。
江南地方の「江」とゆうのは、
揚子江のことですから
日本の古い仮名遣いでは
「やうすこう」から来た文化!
ですよねv(。・ω・。)ィェィ♪
それが訛って「やすこ」になったよ。
…なんて説はいかがでしょうか
飛びすぎですか?
(=゚ω゚;)
…はい。
妄想はさておき、
 
三宝荒神さまのお話に戻します。
 
この神様は、
優しいお顔の「如来荒神
厳しく罰する「麁乱(そらん)荒神
怒りの形相の「忿怒荒神
の三荒神が合体したものだそうで。
 
蔵王権現などと同じく
一見仏教テイストではありますが、
インド出身ではなく、
(=仏教にもともと居た神様ではなく)
日本独自の信仰背景から生まれた
日本オリジナルの神様です。
 
多くは三面(or八面)六臂で三眼。
明王さまたちのように
目は吊りあがり怒髪は天を突きます。
 
三面とも忿怒相の物もあれば、
上記の三荒神を模して
2つは忿怒相1つは柔和相
とゆうものもあるようです。
 
とはいうものの、
仏教でも宗派により
天女や羅刹女の姿であるとか
歓喜天ガネーシャ)と同体だとか
姿に関しては多説あり。
みんな言いたい放題ですね(^_^;)
 
なんでこんなにいろんな姿なの?
というと…
 
出自がいまいちハッキリしない
初めから日本にいた神様だからこそ、
仏教がもてはやされた時代に
仏教の人気スターにかこつけて
 
「僕の三宝荒神さまのお札を
      ぜひ 買いませんかー(=゚ω゚)ノ」
 
という民間の祈祷師や陰陽師
 
「実はね、この荒神
本当のお姿はあの◯◯明王様なんです!
皆さんもご存知でしょ?」
 
と言って売り込んだり、
 
◯◯菩薩を御本尊としていたお寺が
 
「今度うちから三宝荒神様のお札、
発売しますよー。
え?実はこの荒神様は
うちの御本尊様を本地としていてね…」
 
みたいな商売要素も
少なからずあったようで。
 
先日の猿と日枝神社の話でも、
姿のハッキリしないオオヤマクイが
猿を連れた青面金剛に押し負けたように
 
商品化して売り出す上では
姿がハッキリしてる方が強い。
でも日本神話はよほど主人公格でないと
姿がハッキリ記載されない。
 
だからこそ、
仏教を日本に広めるための
本地垂迹説」
        ‖
皆さん!仏様とゆうのは、
怪しい外国の神様ではありませんよー。
皆さんが今まで大事にしてきた
日本神話の神様は、
実は この仏様が皆さんを救うために
目の前に現れたときの御姿なんです!
 
と、こう上手いこと
巻き込まれちゃったとゆうか
うまく波に乗れたのかもしれません。
 
 
ちなみに、
今回いろいろ調べていて知りましたが。
 
私の住んでいる前橋市
とゆうお寺があって、
そこに三宝荒神さまの
掛け軸があるみたいなんです!
※ご本尊は不動明王さまです
 
見に行きたいなー。
普通に公開してるのかな。
 
ちなみにこのお寺さん、
12月の第2土曜に
白菜加持とゆうのをやってるらしい。
 
なんでも、
農家さんが納めてくれた白菜を
お不動さんの火で加持して
その白菜を無料配布してくれるとか
(=゚ω゚)ノオー!
12月は終わったばかりだけれど、
来年行ってみたいな!