とまのす

ちいさくゆっくり、民俗学。

武蔵御嶽のおいぬさま。

先日、奥多摩に出かけることがあったので

併せて武蔵御嶽神社にも行ってきた。

 

小倉美惠子さんの「オオカミの護符」で

一躍有名(?)になったとはいえ、

高尾山よりも人がまばらでいい気持ち。

 

以前来たときは歩きだったけれど、

今回はケーブルカーを使ってみた。

 

f:id:ko9rino4ppo:20151024113641j:plain

「おいぬさま」を祀っているだけあって、

なんとケーブルカーの券売機には「ペット券」が('Д')!

実際、参道にも犬がちらほら歩いている。

 

天気には恵まれたものの、

坂や階段は全体的にかなりきつめ。

(高尾山比で…´ω`)

f:id:ko9rino4ppo:20151024122859j:plain

この階段を登り切れば、拝殿に到着!

一緒に行った方々、

顔は写ってないとはいえ勝手に写真乗せてごめんなさい…|д゚)

 

ちなみに拝殿はただいま工事中。

それを見て「なんだぁ、工事中か!」と言って引き返す

団体客らしきおじさんたち。

 

呼び止めて言ってあげたい!

大口真神社はこの裏ですよ」と!

 

いや、なにもみんながみんな

大口真神社を見に来たんじゃないだろうけどね?

おじさん、かえってきてー(´・ω・`)

 

さて、そんな大口真神様の社↓

f:id:ko9rino4ppo:20151024123606j:plain

両脇の石像は見てのとおり、

皆さんのよく見る狛犬とちょっと違うはず。

 

そう。オオカミさんです(*'▽')

 

神社のホームページでは、

山の邪神に惑わされたヤマトタケル

狼が案内して助けた。

そこから、ここではオオカミをお祀りしています。

というようなことが書かれている。

 

でもなんだか、

ほんとうは「偉い人に貢献したから」でなく

もっともっと昔から

オオカミは神様だったはずなのにー。

という気分。

 

オオカミは、ザックリしたとこで

 

①狩りのうまさと知能の高さで

 山間部に生活する狩猟文化圏の人に尊敬されるか

②作物を荒らす害獣を食べるので

 里山に生活する農業文化圏の人にありがたがられるか

 

という信仰の始まりだったと考えられるけれど。

 

時代が下り

狩猟文化が薄れ、

穀物の神であるウカノミタマノカミと

穀物の敵・ネズミを食べる狐がくっついて、

「おいなりさん」がメジャーになって…

 

という流れの中で、

農業文化の中にいたオオカミというものは

より人間や家畜に害の少ないキツネに

ずいぶん押し負けてしまった気がする。

 

そのうえ、

コメという作物が

日本が統一国家になるうえで

重要な(一種象徴のようでもある)作物となって

※個人的な解釈です…

 

余計に

オオカミー山ー修験道

キツネー里ー神道

みたいな構図ができてしまったんじゃないかなー

なんて私は勝手に思っている。

 

そしてさらにやってきた、

明治の世に向かう

神道一本化!みたいな嵐。

 

神道に登場するヒーローを守った」

という形で山岳信仰修験道色を排して、

単なるオオカミとして神道世界に生まれなおさなければ

生き残れなかったのかもなぁ。

 

なんて遠く男具那山を眺めつつ

物思いにふけったり。

f:id:ko9rino4ppo:20151024123741j:plain

大口真神社のすぐ横に、

奥の院(あちらのお山にあるヤマトタケルの社)遥拝所

というのがあって。

そこの木々の間からきれいに山頂部が見えるんです。

 

見てください!

このきれいな円錐形(*´ω`)

 

文句なしの神奈備山ですよ。

「かむなび」「かんなび」とは、

簡単に言えば「神様がいる」ということ。

 

昔の人は、

整った形の山など

自然物の中でも形や大きさに特徴があるものに

神様が宿ると考えていたそうで。

 

そういう美しい形の山を

神奈備山と呼んだりするわけ。

 

ちなみに、

山自体の名前は「男具那山」。

オグナとは、ヤマトタケルの幼名らしい。

その名の通りヤマトタケルが祀られている。

 

日本の美しい形の山には

結構ヤマトタケルが祀られているのだが、

古事記とか日本書紀を読んでみると

ヤマトタケルはちょくちょく

山の神様を軽んじて窮地に追い込まれているわけで。

 

だから私の中では勝手に、

ヤマトタケルは山の神の対極」

みたいなイメージになっていて。

えー。

なんでこんな美しい山にタケルさん?

納得いかないわー (*´з`)

 

みたいな気分になったり。

 

山の神といえば、

この御嶽神社の玉垣内には

狼を祀った大口真神社のほかにも

ニニギを祀った皇御孫命社がある。

この皇御孫命社に「狛猪」がいたんですよー(*'▽')

 

イノシシは

多産であることなどから

原始宗教で生命力・母性の象徴などとされたそうで。

また、

山岳信仰に関連深い「摩利支天」の乗物でもある。

そんな理由から

オオカミと並んで山岳信仰によく登場するわけで。

 

その狛狼と狛猪を、

同じ玉垣内で見られる神社って案外レアかも?

なんて一人でニヤニヤしたり。

 

でも、

ニニギ自身は農業関係の信仰が多くて、

山の神といえば彼の義父・オオヤマツミじゃないか。

なんでそのニニギの神使がイノシシ?

シックリ来なくない?

なんて一人でモヤモヤしたり。

 

武蔵御嶽山に来たら

木曽御嶽山甲州御嶽山も気になるけど…

森林限界があるような山、無理(;´・ω・)

 

とりあえず

来月の摩利支天縁日ちょうど休みだし!

アメ横大徳寺に行って摩利支天さんを拝んで、

かすかに山岳信仰を感じて満たされてこようー。

(*´з`)♪