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とまのす

ちいさくゆっくり民俗学。

昭憲皇太后百年祭

明治天皇の皇后さまが崩御されて100年。
昨日(5日)と今日、明治神宮の特設ステージで
民族芸能の奉納が行われました。

昨日のは見られませんでしたが、
今回の舞台では東日本大震災3年後ということで
福島の伝統芸能を中心に奉納が行われました。

 

「赤枝の彼岸獅子」

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福島・会津に伝わる獅子舞。
この獅子舞では、三匹獅子と弓持ちが登場する。
他の獅子舞では刀持ちや色々な人がワラワラいる!
という場合もあるけれど、今回のはシンプルです。
弓持ちは、獅子舞を実際に地域で演じ家々を回る中で
次の演目を決めたりもする特別な役でもあるとか。

そういえばアジアの多くの地域で、
弓の弦を鳴らす音は魔除けや神降ろしの補助とされていますが。
(日本にも梓弓というのがありますね(*'▽'))
そういうのも関係あったりするかな…

 

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ハッキリ見える写真はうまく撮れなかったけれど、
同じに見える三人の衣装。
実は顔を隠している布の部分の鳥(鶴かな鳳凰かな)、
首の曲げる方向やくちばしが3匹とも違っています。
それぞれの図案に意味があるのかな?
それとも昔から〇〇家はコレ!とか決まってるのか?

 

そして、この人たちが
赤枝の獅子舞を受け継ぐ青年会の皆さん。

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ずらっと並んだ赤枝青年会のメンバーは、全員が長男(!)
別に偶然じゃないですよ。
赤枝彼岸獅子は長男のみ伝承できる舞なんです。

「多くの人が参加したほうが伝統が途絶えないのでは?」

と思われるかもしれませんが…

誰にでもできてしまうものというのは、
つまり特別ではない(=力も弱い)ということなんです。
それでは厄病を除け、豊作を祈ることもままならない。
というわけで、
現在もいろんな職業の長男さんたちが頑張ってます!

 

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小さな女の子たちが頑張っているこちらは、
「請戸の田植踊り」。
請戸は福島県浪江にある小さな漁港だそうです。

その浜に祀られる「安波(あんば)大明神」は、
漁師の安全と大漁を見守るカミサマ。
その、海と漁の神様に奉納される田植踊りが
この「請戸の田植踊り」なんですって。

海の神様なのになぜ田植え踊り?
というところだけど、
昔むかし 不作の兆候に見舞われた村民たちが
何とか飢饉を避けたいと安波様に踊りを奉納。
その祈りが実ってか予想に反して豊作が訪れたそうで。
それ以来 田植踊りが奉納され続けているらしい。

真ん中で一生懸命踊る2歳ちゃんがかわいすぎる(*´ω`)!
というわけで、ビデオにかまけていて
ブログに使えそうな写真があまりとれませんでした…。

色々な神事で「後継者不足&担い手の高齢化」
という話を聞くけれど、
インタビューを聞いていると
「部活の開始による中学生の伝統芸能離れ」
の話があった。なるほどな、と思った。

 

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「石井の七福神と田植踊」

福島県二本松市の旧石井村に伝わるもので、
七福神が新年を寿ぐパートの後に田植え踊りという構成。

お狐様の面を付けた正月の踊りに
七福神が1人ずつ混ざってくるという冒頭。
七福神に続いて家に入ってきたひょっとこ2人は、
滑稽な動きで田植えなどを真似ながら
リアルタイムで(?)藁を綯います。

正月飾りかなにかを作っているのかな?
くらいしか予想できなかったので、
後で二本松市のウェブサイトを見ると
「注連縄と蚕のまぶし」だそうだ。
※まぶしとは、蚕が繭を作るときに使う枠。

豊穣と養蚕成功祈願ですね(=゚ω゚)ノ!
そして家長がそれを受け取り、
お礼などを言って七福神パートは終了。

さて、この後コンサートかという感じで
ひょっとこが舞台を降りて走り回ります!

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サービスでカメラ目線を送ってくれるも、
動きが速すぎてブレまくります!

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みんなに思いきり何かを投げていますが、
私は目が悪くて何を撒いているかわかりません!
たぶん、餅とか菓子とか?
そして、ひょっとこの勢いがすごくて
写真でも何が飛んでいるのかよくわかりません!

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そして始まる田植え踊りパート。
かながせ・ごようまつ・祝いの田植え踊り
という正月踊りの後、

「おっほん」から始まり
「~によって―してくれろうであるこったぁ」
という威勢の良い口上にはじまり、
稲の成長過程と農作業を模して踊る田植踊り。

最後は刈入れ祝いに「鶴殿亀殿」を踊って
完了!

田植えに関するお祭りや神事は、
年の初めに予め豊作を演じ成功を祈るもの
田植えが終わった後の労いを込めた祝い
収穫に感謝し作物を神様にお披露目するもの
などに分かれます(ザックリですが…)。

今回の場合はお正月にすでに祝っているので
一番初めの「予祝」ってやつですね。

田植えに関するお祭りについてはまた
良い機会があればちゃんと書きたいです('ω')ノ


さて、
最後は福島の山木屋太鼓。

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十数年前に立ち上げたチームだそうで、
山木屋太鼓のサイトでは
「福島の子供の育成のため結成」とされています。

だからメンバーが若いんですねー。

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韓国の長鼓(チャンゴ)と
叩き方がすごく似ている感じがします。
撥の形状はだいぶ違うけど持ち方も似ているのかなー?
しかし、シャッター速度が追い付かず。
指のあたりは残像になってしまった…(*_*;
判別できず。

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リーダーの遠藤元気さん。
跳躍力すごすぎて画面からはみ出す!
( ゚Д゚)アセアセッ

今回参加した団体の中にも
計画的避難区域に指定された地域で
ずっと活動していた人たちがたくさんいた。

この山木屋太鼓も、
計画的避難区域となった山木屋地区から。

インタビューで、太鼓の楽しさを
「気持ちを、音として伝えることができること」
と話していた女の子が印象深いです。

目に見えないものに
生活を変えられた人たちが、
目に見えないものを
聞こえる形に変えられる力を持って
見えないものを見せに来てくれた。

そんな感じがしました。

心が少しずつ癒えても
今も震災が続いているという事実が。
風化しませんように。

*追記*
これを見た翌年(2015)の夏、
山木屋太鼓のメンバーや
教師で詩人の和合亮一さんたちによる
「ふくしま未来神楽」が奉納されました。

神楽と名の付いたからには、
年々繰り返し福島で奉納され続けてほしいな。
演じる人でなく観る人も。
それが続けられる状態を、保ってほしいな。

と思いました(*'ω'*)